大山寺縁起 下巻 第12段

公開日 2015年04月13日

大山の滝水を浴びる修行者の場面

下巻12

かくして、大山は次々と不思議な奇特の瑞相や生身の仏・菩薩が眼前に現れて、衆生を利益することは昔から今現在に至るまで明証することができます。また大山は日本第一の山で、東西南北の眺望に恵まれた景勝地であり、神仏の宿る神聖な山というに相応しい山です。金堂・鐘楼・経蔵・三重の塔・不動明王の社壇を初めとして諸仏が造立され、また弥勒菩薩に関係した兜率天浄土を象徴する四十九院の坊舎が甍を並べ、軒を重ね、所々で座禅入定・学問修行の勤行は絶えることはなく、出離解脱の霊地といった感があります。

奇特:神仏が現す奇跡のこと。
 瑞相:めでたいことのしるし、吉兆のこと。
 出離解脱:俗世間を離れて悟りを開くこと。

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