善波歴史浪漫 その6 寺名「勝興寺」由来記

公開日 2016年05月26日

最終更新日 2016年05月26日

「勝興寺」由来記

勝興寺の寺名はどのような由来からつけられているかと申しますと、新編相模風土記稿に「勝興寺は山の山腹にありて麓より4~5町登りて本堂に至る。その左右に古松蔭(かげ)を交え、蒼苔地(あおいこけのはえたとちの意)に満ち石膏(せっこう:ごつごつしている山の意)所々に顕(あらわ)れ、犬幽邃(はなはだゆうすい)の地なりと書かれています。奥まった静かな大地の上に建つ寺院の当時の様子は、音もなく、人影もなく、静かで山寺の汚れのないしかも宝玉のように輝いていて、遠くの都の風が近くに感じるようで、西東に味わいが感じられ、詩歌を作ることが出来ると評されました。

 この詩歌を作るときの六義(りくぎ)「三種の表現法 =賦(ぶ)、比(ひ)、興(きょう)」 と三種の詩体「風(ふう)、雅(が)、頌(しょう)」が引用されております。
 六義がどのように寺名の由来に引用されているかと申しますと、妙寶山の由来に関係しております。風土、風情、自然が優れていることから比興の興にして「風興の勝絶なり」と表されたことが起こりとされております。

 「比興」とはそこにある自然物を他にたとえると言う意味があり、「興」とは連想する自然物を詠って気分的な象徴とすることを意味しています。
 たとえば、妙寶山の切立った岸壁のことを(万仭仏=多くの仏像の意。)と言って表現したり、勝興寺の西方にある阿弥陀佛山から月が沈む様子を「銀の輸が連なっているようである。」と表現したりすることを言っています。
 「風」はその土地の風土を表しており、風が人を刺激するように、人に刺激を与え、人の心を動かすと言う含みがあり、民謡などに例えられています。

「勝絶」とは風土、自然が優れていて、味わいのある景観を意味している他、「勝」には勝ち抜く、抜き出る、耐え抜く、優れているなどの含みがあり、「絶」には、悪いことを断ち切る、素晴らしいなどの意味が込められています。

すなわち、このような風土、自然に優れた土地にある道場で修行すれば、人は物事に感じて刺激をうけ、どのような苦労にも耐え抜いて他の者の上に抜き出ることが出来る。また行いの良くない人でも満月の日の風が草木を揺り動かし 、葉に当たって光をきらめかすごとく、必ず立ち直り勝ち栄えて行くという意味に例えられています。
 このような由来から「勝絶」の「勝」と「風興」の「興」より「勝興寺」と寺名が付けられました。

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