講演・スピーチ 市長所信表明

公開日 2012年10月23日

最終更新日 2012年10月23日

市長所信表明

市長所信表明

とき:平成24年10月18日

ところ:平成24年度10月臨時会

この度、伊勢原市長に就任いたしました 髙山 松太郎 です。議長から許可をいただきましたので、発言させていただきます。

私にとっては、5年半ぶりの市政参加であり、自ら望んだ道とはいえ、この重責に身の締まる思いですが、ともに市政を担った当時の方と再び接することができ、またご一緒に市政に貢献できる喜びを感じているところです。 この場をお借りして、今後の市政運営に対する、私の所信を申し述べさせていただきます。

皆さまもご承知のとおり、私は県議会議員を務めさせていただきましたが、私にとっては、伊勢原市を外から見るという貴重な体験をさせていただいた5年半でした。

伊勢原市は県央の中心に位置し、交通環境の面においても、また、居住環境においても自然が身近にあり、立地条件として理想的な街です。しかし、私たちはその恵まれた環境に甘え、身を任せて今日まできたのではないのでしょうか。私たちには、未来の伊勢原を委ねる若者や子どもたちのために、今やらなければならないことがあるはずです。

私は、豊かなはずの伊勢原市が直面している財政状況を乗り越えるには、伊勢原市の恵まれた環境を生かす街づくりの長期計画を示すことこそ、伊勢原市の明るい未来が見えてくる唯一の方法ではと感じています。

伊勢原市民が郷土伊勢原に誇りと自信を持って生活していただける環境づくりこそ、我々市政に携わる者の務めではないかと思います。

しかし、昨年の12月にニュースで、突然、伊勢原市の財政難が公表されました。何ら対策を示されたわけでもなく、ただ、いたずらに市民の不安を助長させ、伊勢原市の財政難を世間に知らしめたことは、はなはだ残念な結果であったと考えます。

財政再建は、一朝一夕で克服できるものではありません。しかし、私はあえて財政再建を市民の皆さまに訴えてまいりました。財政再建の見通しをつけない限り、伊勢原の将来構想は語れないからです。もちろん、財政再建は、伊勢原再生なくして達成できるものではなく、財政再建なくして伊勢原再生はなく、財政再建と伊勢原再生は車の両輪です。

そこで、私は六つの課題を掲げさせていただきました。

第一に「伊勢原市に健全な財政を取り戻すこと。」

第二に「健康・文化都市宣言を改めて推進すること。」

第三に「実行性のある防災、防犯体制を確立すること。」

第四に「子育て世代が住み易い街づくりを進めること。」

第五に「伊勢原市の地元力を最大限に生かすこと。」

そして、第六に「近未来のインフラを活用した産業政策を推進すること。」の6項目です。

この6項目は課題ですが、私にとっては「市民への誓い」でもあります。全身全霊をかけて、皆さまのお力をお借りしながら、一つひとつ解決のために全力を傾注したいと考えています。

まず、伊勢原市に健全な財政を取り戻すためには、例外なき見直しを図らなければなりません。何よりも大切なことは、前例主義からの脱却です。また、行政の仕事は予算を消化することではなく、費用対効果を考慮した効率優先の思想を市職員と共に共有して、ことに当たりたいと思います。

そして、平成25年度予算に反映できないかもしれませんが、早急に市政調査会を立ち上げ、短期・中期の財政計画を策定したいと考えています。財政再建には、時間とそれぞれが身を削る覚悟が必要となりますが、その前に、市民の皆さまに伊勢原市の明るい将来像を示すために、市議会議員の皆さまと市職員の知恵と情熱を結集することが何よりも肝要なことだと思います。皆さまの知恵をお貸しいただきながら、ともに考えていきたいと心から願っています。

一部の議員の方々の間で「事業仕分け」の話があるやに聴いていますが、これも事業の見直しと、選択と集中を促進させる一つの方法であり、期待しているところです。また、中・長期にわたり、国と県との連携による財政支援の制度の勉強や、働きかけを強化して、特定財源の確保だけでなく、制度の利用を考えていかなければならないと思っています。

下水道事業一つをとっても、大型河川の無い伊勢原市にとって流域編入ができるならば、伊勢原市の将来の財政に大きく貢献できるはずであり、十分検討すべき課題です。皆さまの知恵と行動によって財政再建への道は必ず開けるものと確信しています。

第二の「健康・文化都市宣言」を改めて推進することですが、伊勢原市の先輩たちが、伊勢原市の誰もが健康で、心豊かな生活を送れる街にするという願いを込めて謳(うた)われたことだと推測しています。私は、改めて推進するというより、この宣言にふさわしい街にすることが大切なことだと思っています。

伊勢原市の医療環境は全国に誇れるものです。しかし、だからといって、伊勢原市民が健康に生活できているというわけではなく、むしろ便利さゆえに医療費が増大するという矛盾が生じています。

私たちは、この恵まれた医療環境を生かして、生涯自立して生活ができる予防医療の充実を図ることこそ、医療環境に恵まれていると言えるのではないでしょうか。介護体制の充実も必要なことですが、医療機関の協力をいただき、「健康 日本一」の街を目指すことこそ「健康・文化都市宣言」の街にふさわしいことだと私は思います。

伊勢原市に障害者雇用の日本一を目指している企業があります。その社長は「私は障害者を助けているのではなく、障害者が自立してくれることが私にとっての最終目標だ。障害者を持つ親御さんは、自分が亡くなった後、我が子が生活できるのか、心配で死ぬに死ねないと言われる。親御さんに障害者が自立した姿を見せてあげたい。」と話されています。これこそが私が目指している街づくりの原点なのです。弱者を救済する街から弱者をできるだけ出さない街への施策の変換が必要だと思います。

また、若者から高齢者まで、ジャンルを問わず文化活動やスポーツの場を提供し、生涯学習を講じて、自助、共助、公助の三世代交流の街が実現できればと考えています。

実行性のある防災、防犯体制の確立ですが、東日本大震災以降、私たちには待ったなしの現実の問題であり、これまでの伊勢原市の防災対策に加え、大山の観光客への対応、東名高速道路からの流入車両、利用者への対策、更に津波危険地域からの避難者への対応など、一自治体で解決できる問題でもなく、国、県との連携を深め、情報の共有化とともに体制の共同化を含めた実行性のある体制づくりが急務です。

また、年々犯罪が増加する中では、防犯灯の整備や防犯カメラの設置を進めていかなければなりません。

そして、伊勢原市を子育て世代が住みやすい街づくりを進めます。先日も新聞で指摘された、手入れも補修もされない小学校の現状を放置するわけにはいきません。また、児童たちが学校のトイレが使えないと訴える状況を、ただ予算がないからと放置する自治体に住みたいと思う子育て世代の親がいるはずもありません。

ソフト面では、教育特区の取得、もしくはモデル校を指定して、学力向上、体育助長など特色のある教育を検討しなければなりません。また昨今問題になっているいじめの問題ですが、「郷土を愛し、人を思いやる心を育む教育の推進」とともに、市民による学内、学外の相談室の設置などは、早急に取り組まなければならない課題です。

財政の厳しい中ですが、「小児医療費無償化を小学6年生まで拡大」、「子育てと働くことが両立できる支援体制」、「中学校給食の導入検討」、「通学路の安全対策」、「子ども公園の拡充」などは、課題として取り組みたいと思っています。街中のマンションの空室(あきしつ)状況を見たとき、子育て世代こそ、街の活性化の礎(いしずえ)であると感じるからです。

五番目の伊勢原の地元力を最大限に活かすことですが、この伊勢原市は日本最大の消費地を控えた農地がありながら、消費地に向かって生産しているように思えません。ここは官民一体となって伊勢原ブランドを確立させ、消費地が必要とする農産物の生産、販売、加工の6次産業化を立ち上げ、行政のトップセールスを前面に押し出し、地域の活性化を図り、耕作放棄農地の対策、雇用の創出を図りたいと考えています。

また、このたび、大山・日向が神奈川県の観光政策に位置づけられました。今後、観光基盤の整備も進み、観光資源の価値が高まっていきますが、私は農業を観光資源の一つに加えていきたいと思っています。農業体験学習、畑レストラン、里山ハイキングなど、伊勢原独自色の観光を創出すべきと考えます。

そして、伊勢原市には本部こそありませんが、東海大学、産業能率大学、東京農業大学の三大学があります。多くの人材を抱えている財産を活かすために「産学官共同体」を立ち上げ、民間企業の行動力、大学の知能と知識、市職員の豊富な行政力を生かすことにより新産業が生み出せるよう努めていきます。また、これを「起業家支援都市構想」の実現につなげ、いつの日か伊勢原市から誕生した大企業が活躍する夢も活性化には必要だと思います。

最後に「近未来のインフラを活用した産業政策の推進」ですが、伊勢原市の近未来は明るいものです。新東名のインターチェンジ開通、国道246号バイパスの開通、そして圏央道の開通と新東名のジョイント、東海道新幹線新駅の開業など、伊勢原市は大きく変貌する千載一遇(せんざいいちぐう)のチャンスを迎えています。財政難解決のチャンスです。

ただ、伊勢原市がこれまでのように何もアクションを起こさなければ、これまでのように何も起こらず、これまでのような街が残るだけです。国はすでに農地転用に厳しい姿勢を打ち出しています。 しかし、私たちは変えなければなりません。将来の伊勢原のためにインフラ整備に合わせた中・長期の土地活用計画の見直しを早急に図り、新たな街づくり構想を示さなければならないのです。皆さまの知恵とお力をお借りして、伊勢原市の将来のためにすぐ取り組まなければならない最大の課題です。

そして、これら6つの課題への対応を、実効性あるものとして進めていくために、私が基本として考えることが2つあります。

一つ目は、「伊勢原を愛すること」です。伊勢原を大切に想い、愛することで、さまざまなアイデア、発想が生まれ、伊勢原市の発展につながるものと考えています。

もう一つは、「スピード感」で、いくらさまざまなアイデア、発想が生まれても、時を逸しては効果が薄れてしまいます。何事においても、スピードと誠意を持って行動することが、大切であると思っています。

この2点を、市職員に十分に認識してもらい、市役所が変わることで、市民の皆さまにも、伊勢原市を愛し、良くしていくとの想いが伝わっていくはずです。そして、市民の皆さまとともに、伊勢原市をさらに発展させていくことができるものと確信をしています。

伊勢原市を愛し、市民の皆さまと一体となって、待ったなしの伊勢原再生、財政再建に向けて取り組んでいきたいと思います。

私たちは評論家ではなく、伊勢原市の舵取りを任されている実務者です。伊勢原のためになるのか? 伊勢原十万の市民のためになるのか? 我々はこの一点を問い続けていかなければなりません。できない理由を述べるより、目的達成はどうしたらできるかを考えて行動していこうではありませんか。

私は伊勢原を明るい未来が見える街に変えてまいります。その歩みは遅くとも、できることから確実に、堅実に、ぶれることなく実行していくことをお約束して、私の所信表明とさせていただきます。

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