講演・スピーチ 平成28年市長施政方針

公開日 2016年03月07日

最終更新日 2016年03月07日

市長施策方針演説

とき:平成28年2月23日

ところ:平成28年3月定例会

平成28年度一般会計及び各特別会計予算案を御審議いただくにあたり、その概要及び市政運営に関します所信の一端と、主な施策の大綱につきまして申し述べさせていただきます。

平成28年度は、第5次総合計画前期基本計画の4年度目として、確かな成果を得る年、そして、その成果を、後期基本計画へ着実に繋げていく年と考えております。そのため、これまでの3年間を振り返り、取組の成果や進ちょく状況、また社会経済状況などを踏まえ、中期戦略事業プランの見直しを行い、予算に反映したところであります。

予算編成に当たりましては、これまで特に注力してまいりました「健康づくり」、「観光振興」及び「新たな土地利用」に加えて、更に「子育て環境づくり」を含めた4つの施策を、一層、推し進めていくことを主眼といたしまして、市民福祉の向上はもとより、本市の未来に投資する予算といたしました。そしてその実行を将来にわたり確実なものとするため、財政健全化にも留意したところです。

本年度に引き続き、庁内の関係部署で組織した「連携・連動推進チーム」を中心に施策に取り組むとともに、市民の皆様や関係する機関とも連携・連動し、効果的に事業を展開し、実行性を確保していく考えであります。

さて、平成28年度における我が国の経済見通しでございますが、雇用・所得環境が引き続き改善し、また、原油価格の低下等により、交易条件が改善する中で、堅調な民需に支えられた緩やかな景気回復が見込まれております。本市の財政状況は、こうした景気動向を背景といたしまして、リーマンショックや東日本大震災後ほどの厳しさはありませんが、年明け以降、海外経済不調による不透明感、原油安や為替の先行きなど、景気回復を減速させる不安要素も存在し、経済見通しは楽観視できない状況です。

こうした中、歳入の根幹である市税収入は、法人市民税につきまして、税制改正の影響による減収要因はあるものの、景気回復等に伴い、前年度と比較して増収を見込んでおります。また、地方消費税交付金は、消費税率10%への引き上げ前の消費拡大の期待も相まって増収を見込んでおります。しかしながら、歳出面で、高齢社会の進展等による扶助費や社会保障関連の特別会計に対する繰出金の増加が止まらないことなどから、一層、気を引き締めた財政運営が必要と認識しております。

平成28年度も、引き続き、伊勢原に住み、伊勢原で学び、伊勢原で働き、そして、伊勢原を訪れる誰もが、それぞれのお立場でそれぞれの「しあわせ」を実感することができる、第5次総合計画に掲げた将来都市像である「しあわせ創造都市 いせはら」の実現を目指してまいりたいと考えております。今後とも、市政発展のため、全力を尽くす所存でございます。

予算編成の基本的な考え方

平成28年度予算は、財政健全化を図りつつ、第5次総合計画を着実に推進するという基本的な考えに基づき編成いたしました。予算計上事業は確かな優先順位付けと費用対効果の最適化を図り、もって市民サービスの維持・向上や、直面する諸課題に的確に、効果的・効率的に対応することとし、中期戦略事業プランの計上事業につきましても、改めて事業の内容、実施方法等を精査し必要最小限の額としたところであります。

これらにより一定の財源確保はできたものの、財源不足を解消するには至らず、このため、制度上認められる、いわゆる赤字債である臨時財政対策債と財政調整基金からの繰入金を計上することにより財源不足解消を図ったほか、引き続き私と、副市長及び教育長の給与費の減額を実施することとしました。

財政調整基金からの繰入金は、前年度より増加いたしましたが、年度末残高見込額は、平成27年度の当初予算編成時点よりも3億9,000万円多い約10億4,000万円を確保することができ、災害など、不測の支出への備えを図ることができたと考えております。

先ほど、平成28年度予算は、市民福祉の向上はもとより、本市の未来に投資し、また、財政健全化にも留意した予算と申し上げました。

主な内容を申し上げますと、市民福祉の向上につきましては、がん検診の充実など市民の皆様の健康づくり、益々、高齢化が進む社会におきまして、認知症等の方の権利・財産を守るための組織の整備・運営、小児医療費助成制度における助成対象年齢の拡大、放課後子ども教室の増設による子どもの放課後の活動の場の充実や、児童虐待防止相談における人的配置の充実など子育てに関する相談体制の強化といった子育て環境の充実、また、災害等への備えとしては、デジタル防災行政用無線の増設、防災機能をもつ公園の整備や消防水利が弱い地区への耐震性防火水槽の設置、公共下水道における耐震化や浸水対策の推進、このほか、高照度防犯灯への一斉更新の取組や防犯カメラの増設、高齢や障害のある方、児童など誰もが安心して通行できるよう、生活道路など市道や橋りょうの整備や維持修繕、また、交通不便地区等の解消を目指した地域の実情に応じた移動手段導入の検討、自治会集会所等の新築や修繕に対する補助など自治会活動の支援のほか、市民の皆様が本市の施設・設備を御利用いただくにあたり、安全確保を最優先に、御不便や不快な思いをされないよう、小修繕を中心に維持管理の経費をできる限り予算計上いたしました。

未来への投資といたしましては、北インター周辺地区や東部第二土地区画整理地区における新たな産業用地創出や企業誘致の推進、伊勢原駅北口周辺地区整備事業の着実な推進のほか、引き続き、農業・林業基盤の整備や平成大山講プロジェクトの推進などの観光振興、更に、日本遺産認定への動きも加速させてまいります。また、新たに創業する方に対する支援制度を創設し、地域経済の活性化を図ってまいります。

また、伊勢原の未来を託す、小中学校児童・生徒につきまして、教育環境充実のため、校舎の改修や修繕、教育用パソコンの計画的な更新や大山小における児童用タブレット端末の配置拡充のほか、相談体制や学習内容充実のため、人的配置を拡充します。

最後に、財政健全化につきましては、以上のような予算措置をした上で、市債残高の縮減や財政調整基金残高の確保のほか、事業公社経営健全化計画に基づく、過去に整備した公共施設の買取りや、土地開発公社の健全化など市債以外の長期債務の縮減も進めてまいります。

予算規模

それでは、本議会に提出いたしました平成28年度予算案の一般会計及び各特別会計の概要につきまして、御説明いたします。なお、金額につきましては、100万円単位とさせていただきますことを御了承願います。

まず、予算規模につきまして申し上げます。

一般会計の予算額は311億円で、前年度対比2.6%、7億8,400万円増となり、平成27年度に引き続き、過去最大の予算規模となりました。

子ども・子育て支援給付費や障害者自立支援給付費など扶助費の増、国民健康保険事業など社会保障関連の特別会計への繰出金の増のほか、仮称.桜台方面公園用地取得、東部第二土地区画整理推進事業、市道改良事業、防災行政用無線整備事業など普通建設事業費の増などによるものです。

特別会計の予算額は、5会計の合計で243億8,200万円で、前年度対比0.7%、1億7,400万円増となりました。

一般会計と特別会計を合わせた全会計の予算額は554億8,200万円で、前年度対比1.8%、9億5,800万円増で、同じく、過去最大の予算規模でございます。

次に、一般会計予算の概要につきまして申し上げます。まず、歳入の状況でございます。

  • 一般財源額は、213億9,400万円で、前年度対比3.2%、6億6,700万円増となりました。市税の増や地方消費税交付金の増によるものです。

続きまして、予算科目の款別に主なものを申し上げます。

  • 市税は、前年度対比2.2%、3億5,000万円増となりました。
  • 市税のうち、法人市民税は、税制改正の影響の平年度化による減収の一方、市内主要法人の増益見通しにより、前年度対比17.0%、2億3,000万円増を見込み、また、固定資産税につきましては、小規模住宅の新増築や東部第二土地区画整理地区の市街化区域編入等に伴い、前年度対比1.8%、1億2,400万円増を見込んだことなどによるものです。
  • 地方譲与税、地方交付税及び各種交付金につきましては、平成27年度の決算見込みなどを基に計上し、前年度対比14.4%、3億9,300万円増を見込んでいます。
    このうち、地方消費税交付金は、景気の緩やかな回復基調と平成29年4月に予定されております消費税率引き上げ前の消費の拡大により、前年度対比18.8%、3億円増を見込みました。
  • 国庫支出金は、生活保護費など扶助費や仮称.桜台方面公園の用地取得など普通建設事業費の増等に伴い、前年度対比4.3%、2億1,300万円増となりました。
  • 県支出金は、障害者自立支援給付費や子ども・子育て支援給付費など扶助費のほか、平成大山講プロジェクト推進事業に係る交付金の増等により、前年度対比8.9%、1億6,200万円増となりました。
  • 繰入金は、前年度対比マイナス11.7%、2,600万円減となりました。財政調整基金から、前年度対比3,000万円増の1億9,000万円を繰り入れるものの、スポーツ広場の整備完了に伴い、終末処理場周辺整備基金からの繰入れが減となったことなどによるものです。
  • 市債は、前年度対比マイナス10.1%、2億1,900万円減となりました。土木債など建設事業債が増の一方、退職手当債や臨時財政対策債の減によるものです。

続きまして、歳出につきまして、性質別に主な内容を申し上げます。

  • 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は、167億7,600万円で、前年度対比2.3%、3億7,200万円増となりました。
    退職手当に係る負担金の減などにより、人件費が減少した一方、扶助費及び市債償還元金の増により公債費が増加したことによるものです。
  • 普通建設事業費は、30億8,300万円で、前年度対比11.0%、3億600万円増となりました。
    仮称.桜台方面公園用地取得、東部第二土地区画整理推進事業、市道改良事業、防災行政用無線整備事業などの増によるものです。

続きまして、各特別会計予算の概要について申し上げます。

  • 国民健康保険事業特別会計は、前年度対比0.2%、2,800万円増の120億9,100万円で、医療費の増加により、保険財政共同安定化事業拠出金が増加いたしました。
    一般会計からの繰入金は、前年度対比9,300万円増の11億5,400万円です。
  • 下水道事業特別会計は、前年度対比マイナス3.4%、1億5,200万円減の43億5,600万円で、事業進ちょくにより、第3号公共下水道管渠整備事業費が減少いたしました。
    一般会計からの繰入金は、前年度対比5,400万円減の12億1,700万円です。
  • 用地取得事業特別会計は、前年度対比47.0%、1億800万円増の3億3,800万円で、伊勢原駅前線整備事業用地取得費が増加いたしました。
    一般会計からの繰入金は、前年度対比100万円増の200万円です。
  • 介護保険事業特別会計は、前年度対比1.3%、8,500万円増の64億6,200万円で、介護保険制度の改正に伴い、地域支援事業費が増加いたしました。
    一般会計からの繰入金は、前年度対比400万円増の9億8,200万円です。
  • 後期高齢者医療事業特別会計は、前年度対比10.2%、1億500万円増の11億3,500万円で、保険料改定により、保険料等納付金が増加いたしました。
    一般会計からの繰入金は、前年度対比1,600万円増の1億8,100万円です。

平成28年度 主な施策

次に、平成28年度の主な施策につきまして、第5次総合計画中期戦略事業プランの「暮らし力」、「安心力」、「活力」、「都市力」、「自治力」の5つの施策体系に沿って御説明いたします。

「暮らし力」の施策

「生涯にわたって健康に暮らせるまちづくり」の取組

東海大学医学部と連携した「健康バス」による健診受診の動機付けを行うとともに、「いせはら市民健康アカデミー」を開講し、生活習慣病の予防に取り組むほか、肺がん検診二重読影を、医療機関で行う施設検診においても実施することでがん検診受診率の向上を図り、「自ら取り組む健康づくり」を推進いたします。

「みんなで支え合う福祉のまちづくり」の取組

仮称.成年後見・権利擁護推進センターを設置し、認知症の方などの権利擁護を推進し、「多様な連携による地域福祉の推進」を図ります。

「子どもを産み育てやすいまちづくり」の取組

小児医療費助成制度におきまして、通院に対する助成対象を小学6年生まで、2学年拡大するとともに、不妊症の最初の治療である一般不妊治療のほか、早産の要因である歯周病対策として妊婦歯科検診に対する助成制度を創設し、「子育て家庭への支援の充実」を図ります。

「子どもや若者の成長と自立を支えるまちづくり」の取組

子どもたちが、放課後に安全に過ごせる場を充実するため、放課後子ども教室を増設し、「次代を担う子ども・若者の育成支援」を推進いたします。

「子どもの生きる力をはぐくむまちづくり」の取組

小学校において教科担当制の実施校や外国語指導助手の配置時間を拡充するほか、教育相談員の増員や、不登校などの学校が対応に苦慮している問題に効果的に対応するため、家庭と福祉をつなぐスクールソーシャルワーカーの配置日数を増やし訪問型の家庭支援を充実するなど、「きめ細やかな教育」を推進いたします。

「安心力」の施策

「災害から市民のいのちを守るまちづくり」の取組

災害時の情報伝達を迅速かつ的確に行うため、防災行政用無線屋外子局を増設するとともに、デジタル化を進めます。また、災害協力病院である伊勢原協同病院にデジタル無線機を設置するほか、伊勢原協同病院の移転跡地に、防災機能をもつ公園の整備を進め、「いざという時の危機対応力の強化」を図ります。

また、公共下水道につきまして、汚水幹線の耐震化を進めるほか、雨水幹線の整備や排水機能の改善により、集中豪雨時における浸水被害の軽減を図ります。このほか、成瀬地区に新規指定される、土砂災害警戒区域のハザードマップを作製し、避難方法等の周知を図り、「被害を最小限に抑える減災対策」を推進いたします。

「暮らしの安全を守るまちづくり」の取組

防犯カメラを増設するとともに、ESCO(エスコ)事業を活用し、高照度のLED型防犯灯へ一斉更新することにより、省エネルギー化と合わせ、「地域とともに取り組む防犯対策」を推進いたします。

また、大山地区に、耐震性を有する防火水槽を整備し、「迅速で適切な消防・救急体制」を充実いたします。

「活力」の施策

「地域の産業が盛んなまちづくり」の取組

地域特性に応じた企業や、さがみロボット産業特区関連企業等の誘致に取り組むとともに、新たに創業する方に対する支援制度を創設し、「地域を支える商業・工業の振興」を推進いたします。

「多くの人が訪れる賑わいのあるまちづくり」の取組

大山こま参道への手すり設置や新たに祝日となる山の日記念イベントの実施など、平成大山講プロジェクトの取組を推進するほか、日向薬師バス停公衆トイレのリニューアル等により、大山・日向を中心とした地域振興や国際観光地づくりを推進し、「伊勢原ならではの観光魅力づくり」に取り組みます。

「都市の骨格を支えるまちづくり」の取組

東部第二土地区画整理推進事業では、土地区画整理組合に対して技術的援助及び財政支援を行うほか、北インター周辺地区まちづくり推進事業では、現況測量調査や区画整理設計など具体的な検討を進め、「地域特性を生かした新たな産業基盤の創出」に取り組みます。

また、伊勢原駅北口周辺地区整備事業では、都市計画変更の手続き等のため関係機関と協議を進めるとともに、都市計画道路伊勢原駅前線の用地取得を進めるなど、「交流がひろがる拠点の形成」を推進いたします。

「都市力」の施策

「みんなの努力で環境にやさしいまちづくり」の取組

日向地区において、自然石による護岸整備など、自然環境に配慮した水路整備を実施し、水質向上と水循環を保持するとともに、合併処理浄化槽への転換を促進し、日向川の水質汚濁を防止するなど、「自然共生社会の構築」を推進いたします。

「安全で円滑な移動ができるまちづくり」の取組

警察やPTA等と合同で通学路を点検し、危険箇所を優先して、歩道やグリーンベルトを設置するなど、誰もが安全で円滑に移動できるよう、歩行空間の整備を進め、「バリアフリー対策」を推進いたします。

また、公共交通不便地区等の解消をめざし、地域の実情に応じた移動手段の導入を検討するほか、愛甲石田駅南口からのバス路線増設に取り組むなど、「移動しやすい交通対策」を推進いたします。

「便利で機能的なまちづくり」の取組

本市における道路ネットワークの骨格となる都市計画道路田中笠窪線の整備を進めるなど、「都市の機能を高める基盤施設整備」を推進いたします。

また、橋りょう長寿命化修繕計画に基づき、震災時の緊急輸送路に位置付けられた橋りょうを計画的に修繕するほか、公園施設長寿命化計画に基づき、総合運動公園体育館の床面改修や地域公園の遊具更新を行います。

また、下水道管きょの計画的な維持管理や更新のため、管きょの「下水道長寿命化計画」を策定するなど、「公共施設の効率的な活用と維持管理・保全」を推進いたします

「自治力」の施策

「地域の力が発揮できるまちづくり」の取組

市と市民活動団体が協働で事業実施する提案型協働事業を積極的に進めるなど、「市民や様々な団体との市民協働」を推進するとともに、地域集会所の新築や修繕に対して補助するなど自治会活動を支援し、「多様なつながりで支える地域運営」を推進いたします。

また、消費生活相談員の配置拡充により、消費生活に関する相談体制を強化し、「市民に身近な市役所づくり」を推進いたします。

「次代へつながる確かな行財政運営ができるまちづくり」の取組

市税等の徴収につきまして、動産差押えによる滞納処分を強化し、収納率の更なる向上に努めます。また、事業公社経営健全化計画に基づき、長期債務を縮減するほか、本市へ御寄附いただいた方へ特産品などにより返礼することで、歳入の確保と地域経済の活性化を図り、「健全で安定した財政運営」を推進いたします。

 

以上、第5次総合計画中期戦略事業プランの主な事業につきまして、5つの施策体系に沿って御説明し、平成28年度の施政方針並びに予算編成大綱を申し述べさせていただきました。

「しあわせ創造都市 いせはら」の実現に向け着実に進んでまいりますので、議員の皆様をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

細部につきましては、各担当の部長から説明させますので、御審議の上、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

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