講演・スピーチ 平成31年市長施政方針

公開日 2019年02月22日

更新日 2019年02月22日

市長ph

とき:平成31年2月20日

ところ:平成31年3月定例会

平成31年度伊勢原市予算案を御審議いただくに当たり、その概要及び市政運営に関します所信の一端と、主な施策の大綱につきまして申し述べます。

平成31年度は、第5次総合計画後期基本計画の2年度目であります。「しあわせ創造都市 いせはら」の実現に向け、議員を始め、市民の皆様とともに、更なる発展の年といたしたいと考えております。「市民目線」と「現場主義」を念頭に、「健康寿命の延伸」「地域経済の活性化」「都市の活力向上」「子育て環境づくり」の4つのリーディングプロジェクトを柱に、引き続き、「連携・連動推進チーム」を中心に市民や団体の皆様とも連携・協働し、効果的に施策の成果を獲得することで、市民福祉の向上はもとより、直面する諸課題にスピード感を持って対応してまいります。

予算編成の基本的な考え方

平成31年度は、変化の年であります。改元という時代の変わり目を迎えるとともに、10月には消費税率の引上げが予定され、また、東京オリンピック・パラリンピックを翌年に控えております。こうした中、伊勢原大山インターチェンジが開通の運びとなりました。これにより、本市への交通アクセスが大幅に向上するほか、インター周辺のまちづくりを着実に推進するなど、市政発展に向けた転機の年であります。他方、近年、自然災害の散発や国際情勢など、様々な不安が我々を取り巻いております。不安や変化に惑わされることなく、将来を見据え、変化を好機と捉え、皆様に、安心と希望をお持ちいただけるよう、リーダーシップをもって市政運営の舵取りをしてまいる所存です。

さて、我が国の経済見通しですが、平成31年度は、景気回復を減速させる可能性と加速させる可能性が混在しております。国は、消費税率の引上げにあっても、経済の回復基調が持続するよう臨時・特別の措置を講ずるとしており、また、景況判断を「景気は、緩やかに回復している」と据え置いていますが、先行きは不透明です。加えて、少子高齢社会の進展を背景とした社会保障関連経費の増加は確実です。

平成31年度予算案は、「財政健全化を進めるとともに、第5次総合計画を着実に推進する」という基本的な考えに基づき編成いたしました。各部局に対しましては、中期戦略事業プラン計上事業であっても、一般財源所要額の一層の縮減に努めるよう指示したところです。少子高齢社会の進展に伴い社会全般において活力低下が懸念される中、本市の財政健全化を進めていくには、歳入構造の強化に向けた新たな産業基盤の創出など、時機を見極めた投資が必要です。扶助費など、市民の皆様の暮らしを守るために必要な施策の水準を、将来にわたって維持・向上していくため、必要な投資を継続してまいります。

直面する諸課題への対応といたしましては、中学校給食の導入、認定こども園や児童コミュニティクラブ等に係る待機児童の解消対策、中央保育園廃止後の施設を活用した児童発達支援センター及び地域子育て相談センターの開設、ごみ減量化の取組、危険ブロック塀等の撤去に係る補助制度の創設、障がいのある方がスムーズに消防機関へ緊急通報できる体制の確保、学校施設や市道の改善などへ適切に対応するとともに、公共施設受益者負担の適正化により得られた財源の効果的な活用のほか、公共施設等総合管理計画に基づく取組も進めてまいります。なお、平成30年度国の補正予算を活用した小中学校へのエアコン設置工事につきましては、早期に完了するよう努めてまいります。財政健全化の面では、市債残高及び公社債務を縮減し、着実に将来世代の財政負担を軽減したほか、特別会計等に対する繰出金等も縮減した予算案といたしました。

平成31年度も、「住み続けたい」あるいは「住んでみたい」と実感していただける「選ばれるまち伊勢原」そして、伊勢原に住み、伊勢原で学び、伊勢原で働き、そして、伊勢原を訪れる誰もが、それぞれの立場でそれぞれの「しあわせ」を実感することができる「しあわせ創造都市 いせはら」の実現を目指してまいりたいと思います。引き続き、市政推進に全力で取り組んでまいります。

予算規模

平成31年度伊勢原市予算案の概要につきまして、御説明いたします。金額につきましては、100万円単位といたしますことを御了承願います。また、比較増減は、平成30年度当初予算に対するものであります。

まず、予算規模につきまして申し上げます。

一般会計の予算額は339億5,300万円で、19億600万円増となりました。
これは、子ども・子育て関連や障がい福祉関連など扶助費の増のほか、介護施設整備に対する補助、保育等の受け皿の拡充、総合運動公園再生修復整備や小中学校のトイレ改修に加え、国の景気対策に伴うプレミアム付商品券事業ほかに係る経費の計上によるものです。

特別会計及び公営企業会計を合わせた5会計の予算額は、242億4,900万円で、9億6,000万円増となりました。
これは、主に、公共下水道事業について、公営企業会計への移行という会計方式の変更等によるものです。
以上、6つある全会計の予算額は582億200万円で、28億6,600万円増です。

次に、一般会計予算案の概要につきまして申し上げます。 まず、歳入です。

  •  一般財源額は、217億4,100万円で、2億8,700万円増となりました。市税及び地方特例交付金の増等によるものです。

続きまして、予算の科目別に主なものを申し上げます。

  • 市税は、2億5,700万円増となりました。 法人市民税について、一部法人の業績不振等により、8,200万円減の一方、固定資産税について、設備投資が堅調なことにより、2億4,400万円増、個人市民税について、給与所得の増等に伴い、8,600万円増を見込んだこと等によるものです。
  • 地方譲与税、地方交付税及び各種交付金につきましては、本年度の決算見込みなどを基に計上し、5,800万円増を見込んでいます。地方交付税の減の一方、地方消費税交付金及び地方特例交付金の増によるものです。
  • 国庫支出金は、4億7,300万円増、また、県支出金は、5億4,500万円増となりました。子ども・子育て関連など扶助費の増を中心に、介護施設整備に対する補助や総合運動公園再生修復整備のほか、プレミアム付商品券事業の実施等によるものです。
  • 繰入金は、1億3,100万円増となりました。財政調整基金繰入金及びまちづくり市民ファンド寄附金積立基金からの繰入れの増等によるものです。
  • 市債は、4億3,600万円増となりました。市道の舗装打換えや市道改良事業、総合運動公園再生修復整備、消防団車庫待機室新築工事や小学校のトイレ改修ほかの増等によるものです。

続きまして、歳出につきまして、性質別に主な内容を申し上げます。

  • 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は、5億6,900万円増となりました。人件費及び公債費が減の一方、扶助費が増となったことによるものです。
  • 普通建設事業費は、6億3,300万円増となりました。認定こども園整備に対する支援、下小稲葉地区における農業基盤整備、総合運動公園再生修復整備、消防団車庫待機室新築工事、小学校のトイレ改修が増となったことなどによるものです。

続きまして、各特別会計予算案の概要につきまして申し上げます。

  • 国民健康保険事業特別会計は、3億7,900万円減となりました。被保険者数の減等によるものです。一般会計からの繰入金は、2億500万円減です。
  • 用地取得事業特別会計は、2,700万円増となりました。伊勢原駅前線整備事業用地の取得に係る市債償還元金の増によるものです。一般会計からの繰入金は、2,700万円増です。
  • 介護保険事業特別会計は、6,500万円増となりました。要介護認定者の増等によるものです。一般会計からの繰入金は、2,100万円増です。
  • 後期高齢者医療事業特別会計は、4,100万円増となりました。被保険者数の増等によるものです。一般会計からの繰入金は、400万円増です。

最後に、公営企業会計予算案の概要につきまして申し上げます。

  • 公共下水道事業につきましては、平成31年度から、より効率的で健全な事業運営を図るため、特別会計から公営企業会計へ移行します。予算規模は、61億900万円で、一般会計からの負担金等は、10億9,900万円です。

平成31年度 主な施策

平成31年度の主な施策につきまして、第5次総合計画中期戦略事業プランの「暮らし力」、「安心力」、「活力」、「都市力」、「自治力」の5つの施策体系に沿って御説明いたします。

「暮らし力」の施策

「生涯にわたって健康に暮らせるまちづくり」の取組

健康相談等の実施や健康講座及び食育推進のための各種教室の開催、健康バスによる測定会や簡易血糖測定検査を通じた生活習慣病予防のほか、がんの早期発見に繋げるがん健診受診率向上の取組などにより、「こころと体の健康づくり」を推進いたします。

また、身近な地域で医療を総合的に支える「かかりつけ医」の普及定着に取り組み、「安心できる地域医療体制の充実」を図ります。

   

「みんなで支え合う福祉のまちづくり」の取組

高齢者や障がいのある方の安心な暮らしを支える市民後見人の養成に取り組み、「多様な連携による地域福祉の推進」を図ります。

また、高齢者の社会参加の場である介護支援ボランティアポイント制度を通じた介護予防の推進や地域包括支援センターの運営支援などにより、高齢者が住み慣れた地域で安心して自立した生活を営めるよう、「高齢者の地域生活支援の充実」を図ります。

   

「子どもを産み育てやすいまちづくり」の取組

教育及び保育環境の拡充と待機児童の解消を図るため、認定こども園の施設整備を支援するなど、「多様な働き方が選択できる保育の充実」を推進いたします。

   

「子どもや若者の成長と自立を支えるまちづくり」の取組

子どもたちが、放課後に安全に過ごせる場を充実するため、放課後子ども教室を増設し、「次代を担う子ども・若者の育成支援」を推進いたします。

   

「子どもの生きる力をはぐくむまちづくり」の取組

小学校における教科担当制拡充のほか、教育相談の充実に取り組み、「きめ細やかな教育」を推進いたします。

また、トイレ改修を始めとする小中学校の施設改善を進めるほか、中学校給食は、1校で完全給食を試行するとともに、全校実施に向けた取組を進めるなど、「安全で快適な教育環境の整備」を図ります。

   

「いつまでも学び生きがいがもてるまちづくり」の取組

各種スポーツ競技大会の開催や地域に根ざしたスポーツ指導者育成のほか、市民が日常的に運動・スポーツをするきっかけづくりに取り組むなど、「誰もが親しめるスポーツ活動の推進」に取り組みます。

また、日本遺産協議会の運営を支援し、「歴史・文化遺産の活用と継承」を推進いたします。

   

「安心力」の施策

「災害から市民のいのちを守るまちづくり」の取組

大規模地震の発生を想定した県市合同の「ビックレスキューかながわ」の開催等を通じ、関係機関等との連携強化を図り、「みんなで取り組む地域防災力の強化」を推進いたします。

また、防災行政用無線屋外子局のデジタル化を計画的に進めるとともに、新東名高速道路高架下を活用した中央備蓄倉庫を整備し、「いざという時の危機対応力の強化」を推進いたします。

更に、公共下水道につきましては、幹線のネットワーク化による減災対策とともに、集中豪雨時における浸水被害の軽減対策に取り組み、「被害を最小限に抑える減災対策」を推進いたします。

   

「暮らしの安全を守るまちづくり」の取組

防犯カメラを増設するほか、防犯灯の維持管理、子どもの見守り活動や夜間パトロール、くらし安心メール等の運用を犯罪の未然防止へ繋げ、「地域とともに取り組む防犯対策」を推進いたします。

また、消火栓を増設し、「迅速で適切な消防・救急体制」を充実いたします。

   

「一人ひとりが大切にされるまちづくり」の取組

外国籍市民等の生活支援のため、医療及び一般通訳者の派遣事業に取り組むなど、「平和と多文化共生社会」を推進いたします。

   

「活力」の施策

「地域の産業が盛んなまちづくり」の取組

中小企業の販路拡大や空き店舗の活用等による商店街の活性化支援のほか、企業誘致活動に加え、産学官連携によるロボット実証実験や生活支援ロボットの普及啓発など、「地域を支える商業・工業の振興」を推進いたします。

また、農地の集約を図る農業者や意欲ある若手農業者の支援等を通じ、「地域とつながる都市農業・森林づくり」を推進いたします。

   

「多くの人が訪れる賑わいのあるまちづくり」の取組

「平成大山講プロジェクト」により大山地区を中心とした地域振興や国際観光地づくりを進めるとともに、日向及び比々多地区において、地域の歴史・文化と豊かな自然を活かしたまちづくりに取り組み、「魅力ある観光の振興」を推進いたします。

また、若い世代の発想を活かした動画の作成など、地域の新たな魅力の創造に取り組み、「シティプロモーションの推進」を図ります。

   

「都市の骨格を支えるまちづくり」の取組

東部第二土地区画整理地区では、土地区画整理組合に対する技術的援助や財政支援を行うとともに、伊勢原大山インター周辺地区では、事業化に向けた手続きを進めるなど、「地域特性を生かした新たな産業基盤の創出」を推進いたします。

更に、伊勢原駅北口周辺地区では、再開発事業計画案の策定に取り組むなど、「交流がひろがる拠点の形成」を推進いたします。

   

「都市力」の施策

「みんなの努力で環境にやさしいまちづくり」の取組

燃やすごみの更なる減量化に向け、資源化の対象を刈草・落葉まで拡大し、「低炭素・循環型社会の構築」を推進いたします。

   

「安全で円滑な移動ができるまちづくり」の取組

子どもや高齢者、障がいのある方など誰もが、スムーズに移動できるよう、歩道やグリーンベルトを整備するほか、歩行空間の段差解消に取り組むなど、「安全な交通環境の整備」を推進いたします。

   

「便利で機能的なまちづくり」の取組

都市計画道路や公共下水道の整備を進め、「都市の機能を高める基盤施設の整備」を推進いたします。

また、総合運動公園再生修復整備方針に基づき、芝生広場や展望広場等の整備を実施するほか、スポーツ施設や老朽化した遊具の更新等により、「みんなで楽しめる公園づくり」を推進いたします。

   

「自治力」の施策

「地域の力が発揮できるまちづくり」の取組

市と市民活動団体等との協働による提案型協働事業や地域集会所の修繕に対する補助を通じた支援等により、「市民協働と地域コミュニティの活性化」を推進いたします。

   

「次代へつながる確かな行財政運営ができるまちづくり」の取組

市税等徴収率の更なる向上に努めるとともに、事業公社経営健全化計画に基づき、債務の計画的な縮減を図り、「健全で安定した財政運営の強化」を推進いたします。

   

以上、第5次総合計画中期戦略事業プランの主な事業につきまして、5つの施策体系に沿って御説明し、平成31年度の施政方針並びに予算編成大綱を申し述べました。
「しあわせ創造都市 いせはら」の実現に向け着実に進んでまいりますので、皆様の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

 細部につきましては、各担当の部長から説明させますので、御審議の上、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

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