○伊勢原市土地の埋立て等の規制に関する条例

平成10年9月17日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、本市域における、土砂等による土地の埋立て及び盛土、土砂等のたい積並びに切土について必要な規制を行うことにより、良好な生活環境及び自然環境を保全するとともに、災害の発生を防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土砂等 土、砂利、岩石等で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。

(2) 埋立て等 土砂等による土地の埋立て(窪地、低地などを埋立てることで、盛土行為以外のものをいう。)若しくは盛土(地面の上に更に土砂等を盛って高くすることをいう。)、土砂等のたい積又は切土をいう。

(3) 事業主 土地の所有者で埋立て等を行うもの又はその土地に係る賃貸借権等の権原により埋立て等を行う者をいう。

(4) 工事施行者 埋立て等に係る工事の請負人又はその者の下請負人をいう。

(5) 土地所有者等 埋立て等に係る区域の土地を所有し、占有し、又は管理する者をいう。

(事業主等の責務)

第3条 事業主及び工事施行者は、埋立て等に係る工事を施行するに当たり、良好な生活環境及び自然環境を保全し、並びに災害の発生を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2 事業主及び工事施行者は、埋立て等に係る工事を施行するに当たり、当該工事の概要について、その埋立て等に係る区域の近隣に居住する者、当該区域に隣接する土地の所有者等に対して周知するよう努めなければならない。

3 事業主及び工事施行者は、埋立て等に係る工事の施行に伴い苦情又は紛争が生じたときは、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

(土地所有者等の責務)

第4条 土地所有者等は、事業主及び工事施行者と連携し、生活環境及び自然環境への影響に配慮するとともに、災害の発生を防止するために、その所有し、占有し、又は管理する土地を適正に管理するよう努めなければならない。

(財産権の尊重)

第5条 市長は、この条例を解釈し、適用するに当たっては、土地所有者等及び事業主の所有権その他の財産権を尊重するよう留意しなければならない。

(埋立て等の許可)

第6条 事業主は、埋立て等を行おうとする場合で、当該埋立て等が次の各号のいずれかに該当するときは、埋立て等に係る工事に着手する前に、市長の許可を受けなければならない。

(1) 埋立て等に係る区域の面積(以下「埋立て等の面積」という。)が500平方メートル以上となるもの

(2) 埋立て等の面積が300平方メートル以上500平方メートル未満のもののうち、当該埋立て等に係る区域に隣接する土地において、当該埋立て等の工事に着手する日前3年以内に埋立て等が行われ、又は行われている場合であって、当該既に行われ、又は行われている埋立て等の面積との合計が500平方メートル以上となるもの

(3) 盛土、土砂等のたい積又は切土の高さが1メートル以上となり、かつ、当該盛土、土砂等のたい積又は切土に係る土砂等の量が500立方メートル以上となるもの

2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する埋立て等については、同項の許可(以下「埋立て等の許可」という。)を受けることを要しない。ただし、第1号及び第2号に規定する埋立て等の場合については、規則で定めるところにより、当該埋立て等である旨をあらかじめ市長に届け出なければならない。

(1) 他の法令(条例を含む。)の規定による許可、認可等を受け、又は届出等をして行う埋立て等で規則で定めるもの

(2) 国、地方公共団体その他規則で定める者が行う埋立て等

(3) 災害の発生のため、必要な応急措置として行う埋立て等

3 埋立て等の許可には、良好な生活環境及び自然環境の保全並びに災害の防止上必要な条件を付すことができる。

(平11条例29・一部改正)

(許可申請の手続)

第7条 埋立て等の許可を受けようとする事業主は、次に掲げる事項を記載した申請書を市長に提出しなければならない。

(1) 事業主及び工事施行者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名

(2) 埋立て等の目的

(3) 埋立て等に係る区域の位置及び面積

(4) 土砂等の量及び盛土、土砂等のたい積又は切土にあってはその高さ

(5) 土砂等の発生場所及び発生事業名並びに土砂等の種類

(6) 埋立て等に関する設計

(7) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

2 前項の申請書には、事業主と土地所有者との埋立て等に関する同意を証する規則で定める書面(事業主が当該土地所有者である場合を除く。)、埋立て等に係る区域の位置図、土地の登記事項証明書その他規則で定める書類を添付しなければならない。

(平17条例2・一部改正)

(許可の基準)

第8条 市長は、埋立て等の許可の申請があった場合において、当該申請に係る埋立て等が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、埋立て等の許可をしてはならない。

(1) 森林法第10条の2第1項の規定による許可又は農地法第4条第1項若しくは同法第5条第1項の規定による許可若しくは届出を必要とする場合には、それぞれの許可を受け、又は届出をしていること。

(2) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域における生活環境を保全するため、騒音、振動、粉じん、水質汚濁等の防止について必要な措置が講じられていること。

(3) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域における自然環境を保全するために必要な措置が講じられていること。

(4) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域に、いっ水、土砂等の流出等が発生しないよう防災上必要な措置が講じられていること。

(5) 埋立て等又は土砂等の搬送に伴う事故を防止するために必要な措置が講じられていること。

2 前項第2号から第5号までに掲げる基準を適用するために必要な事項は、規則で定める。

(許可等の通知)

第9条 市長は、埋立て等の許可又は不許可の処分を決定したときは、事業主にその旨を文書により通知しなければならない。この場合において、不許可の決定の通知には、その理由を記載しなければならない。

(標識の設置)

第10条 埋立て等の許可を受けた事業主は、埋立て等に係る工事を施行している間、当該埋立て等に係る区域の土地で公衆の見やすい場所に、規則で定める標識を設置しなければならない。

(変更の許可又は届出)

第11条 埋立て等の許可を受けた事業主は、第7条第1項第3号から第6号までに掲げる事項を変更しようとするときは、規則で定める事項を記載した変更申請書を市長に提出して、その許可を受けなければならない。

2 埋立て等の許可を受けた事業主は、第7条第1項第1号第2号又は第7号に掲げる事項を変更したときは、その変更の日から10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。

3 第6条第3項第7条第2項第8条及び第9条の規定は、第1項の変更の許可について準用する。

4 第1項又は第2項の場合における次条から第14条までの規定の適用については、第1項の変更の許可又は第2項の規定による変更の届出に係る内容を埋立て等の許可の内容とみなす。

(許可に基づく地位の承継)

第12条 埋立て等の許可を受けた事業主について相続、合併又は営業の譲渡があったときは、相続人、合併後存続し、若しくは合併により設立された法人又は営業の譲受人は、当該埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を承継する。

2 埋立て等の許可を受けた事業主から埋立て等に係る区域内の土地の所有権その他当該埋立て等に係る工事を施行する権原を取得した者(前項の規定により事業主の地位を承継した者を除く。)は、その旨を市長に届け出て、当該埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を承継することができる。

3 埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を第1項の規定により承継した者はその承継の日から、前項の規定により承継しようとする者はその権原を取得した日から、それぞれ10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。

(監督処分)

第13条 市長は、埋立て等の許可に係る工事が埋立て等の許可の内容に適合していないと認めるときは、当該埋立て等の許可を受けた事業主又は工事施行者に対して、当該工事の全部若しくは一部を停止し、又は相当の期限を定めて、埋立て等の許可の内容に適合させるために必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

2 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、埋立て等の許可を取り消し、又は埋立て等に係る工事の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合にこれに代わるべき必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。

(1) 前項の規定による勧告に従わない事業主又は工事施行者

(2) 埋立て等の許可を受けずに埋立て等に係る工事を施行した事業主又は工事施行者

(3) 偽りその他不正な手段により埋立て等の許可を受けた事業主

3 市長は、前項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その者の氏名又は名称及び当該命令の内容を公表することができる。

(完了等の届出及び検査)

第14条 埋立て等の許可を受けた事業主は、埋立て等に係る工事を完了したときは、完了の日から7日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。埋立て等に係る工事を廃止したときも、同様とする。

2 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該工事が埋立て等の許可の内容に適合しているかどうかについて、その届出を受けた日から15日以内に検査しなければならない。

(報告の徴収)

第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主、工事施行者又は土地所有者に対して、埋立て等に係る工事の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 前項の規定により市長から報告を求められた者は、その日から起算して5日以内に報告しなければならない。

(立入調査)

第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、埋立て等に係る区域の土地又は事業主若しくは工事施行者の事務所、事業所その他その業務を行う場所に立ち入り、当該土地又は当該土地において施工されている埋立て等に係る工事の状況、関係書類その他の物件を調査させることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(特例措置)

第17条 市長は、この条例の公布の日から起算して30日を経過した日からこの条例の施行の日(以下この条及び次条において「施行日」という。)前までに埋立て等を行おうとする者に対して、施行日後30日までに限り、この条例の目的を達成するために、当該埋立て等を行おうとする者と協議して、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

2 市長は、前項の埋立て等を行おうとする者が同項の規定による求めに正当な理由なく応じないことにより、この条例の目的を達成することが著しく害されるおそれがあるときは、その者の氏名又は名称及び協議の経過を公表することができる。

第18条 この条例の施行の際現に施工中の埋立て等で、この条例の施行日から30日以内に当該埋立て等が完了するものにあっては、この条例の規定(前条の規定を除く。)は、適用しない。ただし、この期間にあっても、この条例の目的を達成するために、市長は、当該埋立て等を行う者と協議して、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

2 前項に規定する期間を経過して埋立て等を行う者は、施行日前から継続している事業といえども、この条例の規定による手続を経て行わなければならない。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 次の各号の一に該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(1) 第6条第1項第11条第1項又は第18条第2項(許可に限る。)の規定に違反して埋立て等に係る工事を施行した者

(2) 第13条第2項の規定による命令に違反した者

(平11条例29・一部改正)

第21条 次の各号の一に該当する者は、50万円以下の罰金に処する。

(1) 第10条の規定に違反して標識を設置しなかった者

(2) 第15条第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(3) 第16条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

2 第11条第2項第12条第3項又は第14条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の罰金に処する。

(平11条例29・一部改正)

(両罰規定)

第22条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

この条例は、平成11年1月1日から施行する。ただし、第17条の規定は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。

(平成11年12月14日条例第29号)

この条例は、平成12年1月1日から施行する。

(平成17年2月28日条例第2号)

この条例は、平成17年3月7日から施行する。

伊勢原市土地の埋立て等の規制に関する条例

平成10年9月17日 条例第24号

(平成17年3月7日施行)