○伊勢原市小規模水道及び小規模受水槽水道における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例

平成24年12月21日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、小規模水道の布設及び管理並びに小規模受水槽水道の管理について、環境衛生上必要な事項を定めることにより、安全で衛生的な飲料水の確保を図り、もって利用者の健康を保護するとともに、公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 水道 水道法(昭和32年法律第177号。以下この条において「法」という。)第3条第1項に規定する水道をいう。

(2) 小規模水道 法第3条第2項に規定する水道事業(以下「水道事業」という。)の用に供する水道及び同条第6項に規定する専用水道(以下「専用水道」という。)以外の水道であって、地下水又は表流水を水源として居住に必要な水を供給するものをいう。ただし、専ら1戸の住宅に供給するものを除く。

(3) 小規模受水槽水道 水道事業の用に供する水道、専用水道及び法第3条第7項に規定する簡易専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とし、かつ、その水を受けるための水槽(以下「受水槽」という。)を有するものをいう。ただし、専ら1戸の住宅に供給するもの及び建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)第2条第1項に規定する特定建築物に供給するものを除く。

(4) 小規模水道施設 小規模水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設であって、当該小規模水道の設置者の管理に属するものをいう。

(5) 布設工事 小規模水道施設の新設又は規則で定めるその増設若しくは改造の工事をいう。

(6) 設置者 小規模水道又は小規模受水槽水道(以下「小規模水道等」という。)の所有者又は所有者以外の者で当該小規模水道等の管理に関する権原を有するものをいう。

(水質基準)

第3条 小規模水道により供給される水は、次に掲げる要件を備えるものでなければならない。

(1) 病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと。

(2) シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。

(3) 銅、鉄、フッ素、フェノールその他の物質をその許容量を超えて含まないこと。

(4) 異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。

(5) 異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。

(6) 外観は、ほとんど無色透明であること。

2 前項各号の基準に関して必要な事項は、規則で定める。

(施設基準)

第4条 小規模水道は、原水の質及び量、地理的条件、当該小規模水道の形態等に応じ、取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設の全部又は一部を有すべきものとし、取水施設及び浄水施設は、それぞれ次に掲げる要件を備えるものでなければならない。

(1) 取水施設は、できるだけ良質の原水を必要量取り入れることができるものであること。

(2) 浄水施設は、原水の質及び量に応じて、前条の規定による水質基準に適合する浄水を得るのに必要な沈でん池、ろ過池、消毒設備その他の設備を備えていること。

2 小規模水道施設の構造及び材質は、水圧、土圧、地震力その他の荷重に対して十分な耐力を有し、かつ、水が汚染され、又は漏れるおそれがないものでなければならない。

(確認)

第5条 布設工事をしようとする者は、その工事に着手する前に、当該工事の設計が前条の規定による施設基準に適合するものであることについて、市長の確認を受けなければならない。

(確認の申請)

第6条 前条の確認の申請をするときは、申請書に、工事の概要書その他規則で定める書類及び図面を添えて、市長に提出しなければならない。

2 前項の工事の概要書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

(1) 水源の種別及び取水地点

(2) 原水の水質試験結果

(3) 小規模水道施設の概要

(4) 浄水方法

3 市長は、第1項の申請があった場合において、当該工事の設計が第4条の規定による施設基準に適合することを確認したときは、申請者にその旨を通知し、適合しないと認めたとき又は申請書の添付書類及び図面によっては適合するかしないかを判断することができないときは、その適合しない点を指摘し、又はその判断することができない理由を付して、申請者にその旨を通知しなければならない。

4 前項の規定による通知は、第1項の申請があった日から起算して30日以内に、書面をもってしなければならない。

(給水開始前の水質検査及び届出)

第7条 小規模水道の設置者は、布設工事を完了した場合において、当該布設工事に係る施設を使用して給水を開始しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより水質検査を行い、その結果を証明する書類を添えて、市長に給水を開始する旨を届け出なければならない。

(変更及び廃止の届出)

第8条 小規模水道の設置者は、第6条第1項に規定する申請書に記載した事項に変更があったとき又は当該小規模水道を廃止したときは、規則で定めるところにより、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。

(水質検査)

第9条 小規模水道の設置者は、当該小規模水道により供給する水について、規則で定めるところにより、1年以内ごとに1回、定期の水質検査を行わなければならない。

2 小規模水道の設置者は、当該小規模水道により供給する水が第3条の規定による水質基準に適合しないおそれがあるときは、規則で定めるところにより、臨時の水質検査を行わなければならない。

3 小規模水道の設置者は、前2項に規定する水質検査を行ったときは、規則で定めるところにより、速やかに、当該水質検査の結果を市長に届け出なければならない。

(衛生上の措置)

第10条 小規模水道の設置者は、次に掲げる基準に従い、衛生上必要な措置を講じなければならない。

(1) 小規模水道施設は、常に清潔にし、水の汚染の防止を十分にすること。

(2) 小規模水道施設には、必要に応じて柵を設け、又は鍵を掛ける等みだりに人及び動物が立ち入って水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。

(3) 原水の質により必要があるときは、規則で定めるところにより、塩素消毒を行うこと。

(給水の緊急停止等)

第11条 小規模水道の設置者は、当該小規模水道により供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講じなければならない。

2 小規模水道の設置者は、前項の規定により給水を停止したときは、規則で定めるところにより、直ちにその旨を市長に報告しなければならない。

(給水開始の届出)

第12条 小規模受水槽水道の設置者は、当該小規模受水槽水道の給水を開始したときは、規則で定めるところにより、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。

(変更等の届出)

第13条 小規模受水槽水道の設置者は、前条の規定により届け出た事項に変更があったとき又は当該小規模受水槽水道を廃止したときは、規則で定めるところにより、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。

(管理等)

第14条 小規模受水槽水道の設置者は、次に掲げる基準に従い、当該小規模受水槽水道を管理しなければならない。

(1) 受水槽の清掃を1年以内ごとに1回、定期に行うこと。

(2) 有害物、汚水等による水の汚染を防止するために受水槽の点検その他必要な措置を講ずること。

(3) 給水栓における水の色、濁り、におい、味その他規則で定める事項に関する検査を随時行い、供給する水に異常を認めたときは、規則で定めるところにより、水質検査を行うこと。

(4) 供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。

2 小規模受水槽水道の設置者は、当該小規模受水槽水道の管理について、規則で定めるところにより、1年以内ごとに1回、市長の指定する者の検査を受けなければならない。ただし、当該小規模受水槽水道の受水槽の有効容量が8立方メートル以下のものについては、この限りでない。

3 小規模受水槽水道の設置者は、前項の規定による検査を受けたときは、これに関する記録を作成し、当該検査を受けた日から起算して3年間、これを保存しなければならない。

(改善の指示等)

第15条 市長は、小規模水道について、当該小規模水道施設が第4条の規定による施設基準に適合しなくなったと認めるときは、当該小規模水道の設置者に対し、期間を定めて、当該施設を改善するよう指示することができる。

2 市長は、小規模水道の衛生上の措置が第10条の基準に適合していないと認めるときは、当該小規模水道の設置者に対し、期間を定めて、当該小規模水道の管理に関し、消毒その他の必要な衛生上の措置をとるよう指示することができる。

3 市長は、小規模受水槽水道の管理が前条第1項の基準に適合していないと認めるときは、当該小規模受水槽水道の設置者に対し、期間を定めて、当該小規模受水槽水道の管理に関し、清掃その他の必要な措置をとるよう指示することができる。

(給水停止命令)

第16条 市長は、小規模水道等の設置者が、前条の規定に基づく指示に従わない場合において、給水を継続させることが当該小規模水道等の利用者の健康を害すると認めるときは、その指示に係る事項を履行するまでの間、当該小規模水道等による給水を停止するよう命ずることができる。

(報告の徴収及び立入検査)

第17条 市長は、小規模水道の布設又は管理の適正を確保するために必要があると認めるときは、当該小規模水道の設置者に対し、工事の施行状況若しくは管理の実施状況について必要な報告を求め、又は当該職員をして小規模水道の工事現場、小規模水道施設のある場所若しくは設置者の事務所に立ち入らせ、工事の施行状況、小規模水道施設、水質若しくは必要な関係書類を検査させることができる。

2 市長は、小規模受水槽水道の管理の適正を確保するために必要があると認めるときは、当該小規模受水槽水道の設置者に対し、小規模受水槽水道の管理について必要な報告を求め、又は当該職員をして小規模受水槽水道の用に供する施設のある場所若しくは設置者の事務所に立ち入らせ、その施設、水質若しくは必要な関係書類を検査させることができる。

3 前2項の規定により立入検査を行う場合には、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第1項又は第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(地位の承継の届出)

第18条 相続、合併、譲渡その他の事由により、設置者の地位を承継した者は、当該承継の日から起算して30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(委任)

第19条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 第11条第1項の規定に違反した者は、10万円以下の罰金に処する。

第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第5条の規定による市長の確認を受けないで布設工事に着手した者

(2) 第16条の規定による給水停止命令に違反した者

第22条 第17条第1項又は第2項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、2万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第23条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に、小規模水道及び小規模受水槽水道における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例(平成7年神奈川県条例第7号)の規定により神奈川県知事が行った確認、処分その他の行為又は神奈川県知事に対して行われた申請その他の行為で、この条例の施行の際現にその効力を有するものは、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

伊勢原市小規模水道及び小規模受水槽水道における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例

平成24年12月21日 条例第24号

(平成25年4月1日施行)