公開日 2014年09月08日
口や歯は、おしゃべりする、食事を楽しむ、表情をつくるなど、心豊かな生活を末永く送るために欠かすことのできない器官です。
口の中の病気を予防し、健康を保ちましょう。
歯や口の働き
「食べる・味わう」
- 歯の基本的な役割は、食べ物をかみ砕き、体内へ送り込むことです。歯や歯ぐきが悪くなると十分にかめなくなり、胃にも負担がかかります。
- 舌の細胞の「味蕾(みらい)」で味を感じています。口の中が清潔でないとこの細胞の働きが鈍くなります。
- 「シャキシャキ」「パリパリ」という食感や歯ごたえを楽しめるのは、健康な歯があるからです。
「かむ」
- 口の中の細菌を洗い流す唾液はかむことによって分泌されます。
- 脳の血流が増え、新陳代謝が活発になります。
- よくかんでゆっくり食事をすることで、満腹感を感じ「食べ過ぎ」を防ぎます。
「話す」
- 歯が1本でも欠けると「さしすせそ」が言いにくくなります。
- 歯が抜けてスムーズに話せなくなると、コミュニケーションをとることがおっくうになる人もいるかもしれません。
「顔の形・表情」
- 清潔な歯と歯ぐき、美しい歯並びは、いきいきとした若々しい印象を与えます。1本でも抜けるとあごの形が崩れ、顔の輪郭や表情にまで影響します。
口・歯と身体の関係
口や歯の健康が、全身の健康状態と深くかかわっていることをご存じですか?
口の中で繁殖した細菌は血液などを通して全身をめぐり、心臓や脳などに炎症を引き起こすといわれています。
また、かみ合わせが悪いと肩こりや頭痛などが生じるという指摘もあり、口・歯の病気の予防、早期発見が重要になってきます。
歯周病とむし歯
歯を失う原因の90%は歯周病と虫歯です。
歯周病とは
以前は歯槽膿漏と呼ばれていました。歯と歯ぐきの間に歯垢(しこう)(細菌のかたまり)がたまると歯ぐきに炎症が起きます。
そのままにしておくと、炎症はさらに進み、やがて歯を支えている骨までも破壊し、歯が抜けてしまいます。
むし歯とは
ほとんどの人の口の中に住んでいるむし歯菌(細菌のミュータンス菌)がショ糖(砂糖)を分解して、歯垢をつくります。
歯垢はネバネバとしていて歯にくっつきやすく、その中でミュータンス菌がさらに活動を続けると、酸が発生します。この酸が歯を溶かして虫歯になってしまいます。
歯周病とむし歯の予防
- しっかりよくかんで食べましょう
よくかむことで、全身の機能が活性化され、だ液の分泌が高まります。だ液は食べものの消化・吸収を助けるだけでなく、口の中を殺菌し、歯垢をつきにくくすることで、歯と口の病気を防ぐ効果があります。
- 甘いものを控えましょう
ジュースや缶コーヒー、スポーツドリンクにも糖分が含まれているため、注意しましょう。
- 1日3食、規則正しい食生活にしましょう
不規則に食べていると、口の中の細菌の働きが活発になり、むし歯や歯周病になりやすくなります。睡眠中はだ液の分泌が減ることから、寝る前に飲食をしてそのまま寝ると、細菌の活動が活発になり、歯垢が増殖しやすくなります。間食や寝る前の飲食は控え、1日3食規則正しくバランスのとれた食事をしましょう。
- たばこを吸っている人は禁煙をしましょう
1日あたりの喫煙本数が多い人ほど歯周病になりやすく、受動喫煙も影響するというデータもあります。喫煙すると歯にタールが付着し、ニコチンの影響で毛細粘膜が収縮し歯肉は暗紫色になります。また、歯茎や唇はメラニン色素が沈着し黒ずみます。
- 歯みがき習慣のポイント
歯みがきは毎食後と寝る前にみがき、1回につき3分以上かけてていねいにみがきます。
口臭
口臭の大部分は口の中に原因があり、その多くは舌苔(ぜったい)と歯周病です。
舌苔は、口の中の汚れが舌の表面にたまり、白い苔(こけ)のようになったものです。
口臭のもととなっているのは、口の中に存在する細菌の一部が、食べかすなどを分解する際につくり出す臭気成分です。
歯みがき等と定期的な歯科検診で口臭を予防しましょう。
種類 | 原因 | 対処法 | |
---|---|---|---|
生理的口臭 | 朝起きた時、空腹時、疲労や緊張した時などに感じる口臭。だ液の分泌が減少し、細菌が増えるために起こる。 | 歯みがき・うがい | |
病的 口臭 |
舌苔(ぜったい) | 舌についたこけのような付着物で、細菌のかたまり。 | 歯みがき・うがい・舌の清掃 |
むし歯・歯周病 | 大きなむし歯や歯周病が進行すると強いにおいが出る。 | 歯科医の治療・毎日の歯みがき | |
だ液の減少 | だ液が減少すると口の中の洗浄や細菌の増殖を抑える作用が弱まったり、口の中が乾燥して口臭が強くなる。 | うがい・水分摂取 | |
全身の病気 | 鼻、のど、呼吸器、消化器、糖尿病などの病気によって口臭が出ることがある。 | 原因となっている病気の治療 |
【その他の口臭予防】
- よくかんで食べる(だ液の分泌を促します。 )
- 鼻で呼吸(口呼吸は口の中が乾燥し、だ液が減ってしまいます。 鼻で呼吸をしましょう。)
- 歯科医の受診(定期的に歯や歯ぐき、お口の中の状態を確認してもらいましょう。 )
かかりつけ医を持ちましょう~歯科医療機関~
- 社団法人秦野伊勢原歯科医師会(外部リンク)
市の教室
- 歯科衛生士による歯と歯ぐきの相談(骨量測定相談会で実施。実施がない日もありますので、事前にお問い合わせください)
- 健口セミナー(65歳以上で介護保険認定がない方、口腔機能向上に該当する二次予防事業対象者)(担当:介護高齢福祉課)
関連情報
- 日本歯科医師会 テーマパーク8020(お口の予防とケア・歯科とライフステージ・お口の119等)(外部リンク)
- 日本歯科医師会 正しい歯のみがき方(外部リンク)
- 日本歯科医師会 8020運動(外部リンク)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 歯・口腔の健康(外部リンク)