公開日 2017年06月30日
- 船弁慶の装束をまとう生徒
- 面を付けて役になりきる生徒達
- 大山能の歴史についてお話してくれました
- 300年以上使われ続けている面
- 「般若」は女性の嫉妬や恨みを表します
- 松木さんによる「船弁慶」の実演
山王中学校で6月23日(金曜日)、観世流シテ方能楽師の松木千俊さん、大山阿夫利神社権禰宜の目黒久仁彦さんを講師に招いて、能楽講座が開かれました。
会場となった体育館には全校生徒約600人が集まり、日本遺産の構成文化財の1つである大山能について学びました。
約300年の歴史がある大山能は、江戸時代に争いの絶えなかった神職・僧侶・山伏の融和策として始められ、高齢化や後継者不足で演じられる機会は減りましたが、その伝統は今も受け継がれています。
能面は演者の間では面(おもて)と呼ばれ、役割や感情を表現する「般若」や「孫次郎」、「獅子」など11種類が用意されました。演目「船弁慶」で使用する総重量15キロの装束も用意され、実際に生徒が身に着けて能の世界を体験しました。これらをまとって演じるには毎日の稽古を欠かさず行うことが大切だそうです。
「大山能を知り、自分が育った地域の伝統・文化を大切にする心を育ててほしい」と目黒さんが話すと、大きくうなずく生徒もいました。3年生の永井基惟君は「装束は重くて暑かったが、目と耳と肌で能を感じることができた」と余韻を楽しむように話してくれました。