公開日 2012年10月04日
江戸時代後期に盛んに刊行された大山関係浮世絵も明治中頃で姿を消したようです。それに代わり登場したのが、写真による絵はがきです。その始まりはよくわかりませんが、大山を訪れる外国人を対象としたものであったのかもしれません。
ここで紹介します絵はがきは、明治後期から昭和20年頃までに印刷・頒布された相模大山絵はがきです。教育委員会所蔵品と個人の収集品からなっています。
絵はがきは大山参詣の道に沿って、大山の麓、伊勢原市上粕屋・山王原から山頂までと、大山に伝わる伝統芸能や昭和初年頃作詞・作曲された「大山音頭」「大山小唄」までを取り上げてみました。
大山に関する明治期から第二次世界大戦までの絵葉書は袋に入った組数は不明ながら、総数にして300枚以上はあったと考えられます。東京で発行されたものもありますが、阿夫利神社社務所や大山寺、当時の大山町や伊勢原町の関係者なども発行元でした。写真は、同一のものを使い回しした場合が多かったように思われます。
絵はがきの年代は使用されたものですと消印でわかりますが、未使用のものについては写真の様子から推察しています。関東大震災後の復興(河川改修・石段の新設など)や小田急線の開通、大山ケーブルカーの運行開始と撤去などを目安としました。
第二次世界大戦後は、講中による大山参詣や雨乞い行事なども大きく変化しました。この絵はがきは大山の移り変わりが端的にわかる貴重な資料です。伊勢原のシンボルともいえる大山は、古くから信仰の対象とされてきました。
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