公開日 2013年09月04日
歳時記 1月
セイトバライ

1月14日には、セイトバライといって道祖神に集められた煤掃き竹、門松、正月のお飾り、書初め作品、旧年のダルマなどを焚き、その火で団子を焼くという行事です。別名をどんど焼き、ダンゴ焼き、左義長(さぎちょう)などといいます。
団子は前日の夜に作ります。団子の形は丸型の三色(白、赤、緑)のものや、野菜や果物、魚などをかたどったものがあります。出来上がった団子は、コナラやクヌギや樫(かし)の木に挿します。焼く団子とは別に、神棚、床の間、仏壇に供える団子も作ります。これは、3、5、7個と決まった数を小枝に挿します。
子どもたちは道祖神のそばに御仮屋をつくり、その中で遊んだり太鼓を叩いたりして過ごします。夕方になると、大人たちが集まり道祖神に集められたものや御仮屋を取り壊して火を付けます。セイトバライの火で焼いた団子を食べると虫歯にならない、風邪をひかない、また、書初め作品が高くあがれば習字が上達するなどの言い伝えがありました。(上の写真は小金塚自治会のセイトバライの様子)
坊中の玉ふり
日向の坊中(ぼうちゅう)では、この日に玉ふりという行事が行われていました。
14日までに杉の葉の大玉を作り、その上下に藤ヅルを通し、上の部分を白髭(しらひげ)神社の大松の枝に縛り付けておきます。
当日、焚き上げをするとその火の勢いで、杉玉があぶられ、やがて火が移ると上部の藤ヅルが切れるので、下部の藤ヅルを持って火のついた杉玉を振り回すというものです。夕暮れにさしかかった頃にこの行事が行われたので、一層豪華(ごうか)に見えたといいます。この時に飛び散った火の粉をかぶると、一年中無病息災(むびょうそくさい)であるといわれ大勢の見物客があったそうです。
また、この玉は180キログラムもあったといい、力自慢を競って大勢の人が挑戦したそうです。この行事は今は行われていません。
「伊勢原の昔し噺」にも掲載されています。