Story 00信仰の夜明け

貞秀・雨降神社真景

 大山への信仰は古く、奈良時代には、霊山寺(現・宝城坊。通称・日向薬師)、石雲寺、大山寺が開かれ、平安時代にまとめられた「延喜式神名帳」に記される阿夫利神社や比々多神社、高部屋神社の成立などにより、 信仰の地としての姿が整えられていった。

 大山は別名を「雨降山(あめふりやま)」と呼ばれるなど、雨乞い、五穀豊穣、商売繁盛を願う多くの庶民が「大山詣り」に訪れた。 しかしながら、人々を惹き付けたのは神仏の御利益だけではなかった。