神成松遺跡第8地点(令和5年度調査)

公開日 2024年02月16日

神成松遺跡第8地点

遺跡の概要

  • 所在地
    伊勢原市上粕屋字立原、字神成松
  • 調査原因
    一般国道246号(厚木秦野道路)建設事業に伴う発掘調査
  • 調査期間
    令和5年7月3日~令和6年1月31日
  • 主な時代
    旧石器・縄文・弥生~古墳・奈良~平安・中世・近世
  • 遺跡立地
    大山の山際からのびる上粕屋扇状地の台地上

 

これまでの中世の調査からは、方形館とそれを囲う区画溝が確認されています。方形館の立地について、三方は溝で囲い、一方を急斜面という自然地形を生かした区画がなされていたと想定されます。掘立柱建物は、方形区画内の中央から南東にかけて集中しており、東西方向と南北方向の2つの系統の主軸が確認されたことから、中世武家屋敷に見られるL字状に配置された建物群と考えられています。中央から西では遺構が少なく、意図的に空閑地が設定されていたと考えられ、建物前面に広がる庭のような場であったと想定されます。方形館の出入り口となる門や土橋、土塁といった遺構は発見されていませんが、入口については、未調査範囲の西辺に位置する可能性が考えられます。出土遺物は、建物跡の周囲や溝から在地産・鎌倉産のかわらけ、青磁などの舶載陶磁器、渥美甕や常滑甕などの国産陶器、銭、金属製品が出土しています。年代は、12世紀後半~14世紀前半とされるものが主体的です。
 今年度の調査において中近世では、前年度の調査で見つかった道状遺構の延伸部分が確認され、そのうちの中世の道状遺構は、途中でT字に折れる様子も確認されました。俯瞰して見ると方形館の東と西、南で道が区画溝と同じ方向で走る状況が確認されており、方形館の外側を区画溝だけでなく道によっても囲われていることが分かります。
 縄文時代は後期の敷石住居と中期の住居・竪穴状遺構・集石、前期の落とし穴などが見つかっています。中期の調査では住居が4軒と竪穴状遺構2軒(遺物が多く出土するが、炉と周溝が未検出の遺構)が検出されました。なかでもJ4・6号住居は直径約6~7mの円形で、周溝が複数確認されることから建替えが行われていたと考えられます。

調査の写真

古代・中世面 全景(南東から)
古代・中世面 全景
中世出土 馬か牛の骨
中世出土 馬か牛の骨
J3号住居(敷石住居)
J3号住居(敷石住居)
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住土器出土状況
J4住 炉
J4住 炉
作業風景
作業風景

地図

遺跡の位置

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