公開日 2024年02月16日
上粕屋・秋山遺跡第2次調査
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市上粕屋字秋山3074外 - 調査原因
一般国道246号(厚木秦野道路)建設工事に伴う発掘調査 - 調査期間
(7区)令和5年4月1日~令和5年6月30日(一時中断)
(8区)令和5年4月1日~令和6年1月31日 - 主な時代
旧石器・縄文・古墳・古代・中世・近世 - 遺跡立地
渋田川右岸の秋山台地上
上粕屋・秋山遺跡は、大山に端を発する河川が形成した上粕屋扇状地の秋山台地上に立地しています。新東名高速道路高架橋の真下にあたる7区・8区の調査は令和4年度から調査が開始されました。昨年度では、近世から縄文時代後期までの調査を行い、様々な遺構や遺物が確認されました。今年度は縄文時代の調査を継続し、続く旧石器時代の調査を実施しました。
縄文時代の調査は、昨年度検出された配(はい)石(せき)遺構(いこう)(縄文時代後期)より下層の調査を行いました。結果としては、配石遺構が検出された位置とほぼ同じ位置から53基の土坑が検出されました。土坑の規模は長軸約170cm、短軸約80cm、検出面からの深さは約25cmです。土坑の中からは土器が出土するものが少なくありません。こうした状況から、これらの土坑は当時のお墓であると考えられます。前年度調査と併せて考えると、斜面上位に住居域が、その前面にあたる斜面下位に墓域がそれぞれ展開していたと考えられます。
旧石器時代の調査では、調査区南側を中心に石器集中地点を複数確認しました。石器の出土点数は約4,600点に及びます。これらの石器はL1H相当層下層部を中心に出土しています。石材はガラス質黒色安山岩が主体で、黒曜石やチャート、凝灰岩なども認められます。器種については、ほとんどが剝片石器ですが、狩猟具と考えられる槍先形尖頭器が約25点出土しています。未製品と考えられる石器もあることから、槍先形尖頭器の製作址だったと考えられます。また、同じ層位から炭化物集中地点が複数検出されています。今後は、これらの試料を用い、年代測定などの分析を行う予定です。
調査の写真
- 縄文時代後期 土坑検出状況
- J1住土器出土状況
- J15土坑 検出状況
- J17土坑土器出土状況
- J17土坑土器出土状況アップ
- J19土坑石器出土状況
- J133土坑土器出土状況
- 旧石器時代 石器出土状況
- 旧石器時代石器出土状況1
旧石器時代石器出土状況2