公開日 2023年02月17日
上粕屋・秋山上遺跡
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市上粕屋字秋山上2900-1外11筆 - 調査原因
一般国道246号(厚木秦野道路)建設工事に伴う発掘調査 - 調査期間
令和4年4月1日~調査中 - 主な時代
旧石器、縄文、奈良~平安、中世、近世 - 遺跡立地
秋山台地上で、北側が谷戸に面している
上粕屋・秋山上遺跡の調査は8区を令和3年5月18日より、9区を令和4年3月3日より開始し、令和4年度以降も継続して実施しています。
8区は令和3年度の調査の継続で、旧石器時代を対象として行いました。旧石器時代の調査は、遺物の出土状況をみて順次調査範囲の拡張を行いながら実施しました。検出されたのは石器集中4箇所と礫群2基です。
石器集中は関東ローム層のB0層から遺物が出土し始め、L1H層~B1層にかけてより多くの遺物が出土しました。石器集中から4000点ほどの石器が出土しましたが、槍先形尖頭器やナイフ形石器などは少数検出されたのみで、ほとんどが微細な剥片です。剥片は石器を製作したときに出た石くずと考えられます。礫群は2基確認されています。いずれもL1H層~B1層にかけて礫が出土しています。礫群は構成する礫が焼けていることから蒸し焼きなどの調理を行った痕跡と考えられます。8区の調査は令和4年8月30日に終了しています。
9区では、近世面で溝状遺構2条と土坑5基、畑跡6ヶ所が検出されています。畑跡からは宝永火山灰を鋤き込んだ災害復旧の痕跡が認められました。
中世では溝状遺構7条、土坑43基、ピット1711基、竪穴状遺構7基、地下式坑9基、井戸2基が検出されており、ピットの並びから7棟の掘立柱建物跡が確認されています。
奈良・平安時代では竪穴住居跡が1軒確認されているのみです。
調査は現在も継続中で縄文時代の調査の後、9区も旧石器時代の調査を開始する予定です。