公開日 2023年02月17日
上粕屋・和田内遺跡
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市上粕屋字和田内2946-3外 - 調査原因
一般国道246号(厚木秦野道路)建設工事に伴う発掘調査 - 調査期間
令和4年11月1日~調査中 - 主な時代
縄文、古墳、奈良~平安、中世、近世 - 遺跡立地
和田内所在小谷戸の斜面裾
これまでの調査区に隣接する 10 区の調査を行いました。現在は、近世の調査を行っています。
近世は、宝永年間(1704~1711)前後と考えられる石列、宝永年間以後の杭列が発見されました。石列は、2列平行していました。上面が崩落しているため、推測の域を出ませんが、石積みのようなものであった可能性もあります。また、この石列に平行して並ぶように竹が検出されました。この石列と同じ時期と考えられますが、用途は不明です。石列は、旧伊勢原市道から僅かに離れた場所からの検出となります。この旧伊勢原市道は、近世まで原型を遡ることができ、石列はこの近世の旧道である可能性もありますが、検出された石列は僅かであり、路面のようなものは検出されなかったため、可能性の指摘に留めておきます。また、耕作地の畦と見ることもできます。
杭列は、何列も平行するように発見されました。杭列に付属する土留め板は確認されなかったため、土留めとは異なるようです。また、列が何重にも重なるため、柵列とも異なるようです。おそらく垣根のようなものであったと考えられますが、明確ではありません。この杭列に平行するように溝状遺構も見つかっています。杭列と溝状遺構は、一体のものであり、耕作地の区画境に作られたものと考えられます。
調査地は、近世・近代の絵図・地図などから、谷の中の耕作地であったと考えられます。発掘調査では、区画に関するものが発見され、その一端をうかがうことができます。