公開日 2024年02月16日
石田・引地遺跡第3地点
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市石田字引地914番の2の一部他2筆 - 調査原因
宅地造成工事に伴う発掘調査 - 調査期間
令和5年1月18日~3月20日 - 主な時代
縄文・弥生・古墳・奈良・平安・中世・近世 - 遺跡の立地
玉川と歌川に挟まれた台地の縁辺部
本遺跡の調査では、弥生時代後期~奈良・平安時代の竪穴住居跡16軒、中世の竪穴状遺構1基、土坑11基、焼土遺構などが検出され、この他にも縄文時代のピットや、中世~近世のピットなどが調査されました。
この内、特徴的な遺構として平安時代の8号住居跡からは、床下に4基の床下土坑が重複して検出され、これらの土坑には底面から壁面にかけて3cmほどの厚さでローム土が貼られているのが観察されています。また、調査区南東側には、「引地」の由来にもなっている断層によって生じた地滑りで形成された大形陥没溝があり、火山灰を含む厚い黒褐色土の堆積がみられ、底面からは9世紀代の土師器坏の完形品が出土しています。この火山灰は平安時代貞観年代の富士山噴火に伴う火山灰であるとの分析結果が得られていることから、遺跡の継続期間内に自然災害の影響が生じていることが推測されます。
遺物は、縄文時代の土器、弥生時代後期~古墳時代前期の土器、古墳時代後期~奈良・平安時代の土師器坏・甕、須恵器坏・蓋、石製品、鉄製品、中世の陶器などが出土しています。