公開日 2025年02月07日
上粕屋・久保上遺跡第2次調査
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市上粕屋字神成松2814外 - 調査原因
土地区画整理に伴う発掘調査 - 調査期間
令和5年6月12日~調査中 - 主な時代
縄文・中世・近世 - 遺跡の立地
上粕屋扇状地上の緩傾斜地上
本遺跡では、近世・中世面で溝状遺構や畝状遺構、円形土坑、地下式坑などが、縄文地代では中期~後期の竪穴住居址が確認されています。
縄文地代の竪穴住居址は、現在までに100軒以上確認され、今後さらに増える見込みです。竪穴住居址群(集落)を形成している時期は、勝坂式後半~曽利【機種依存文字】式=加曽利E3式期で、堀之内式期の柄鏡形敷石住居も見つかりました。
竪穴住居址の大きさは、直径5m前後の平面形が円形プランを呈するものが多数で、中には長辺8m以上のものや、平面形が(長)方形や五角形を呈するものもみられます。特に(長)方形プランの住居址は曽利【機種依存文字】式期に多くみられます。内部施設は、石囲炉を有する住居が多く、石囲埋甕炉もみられます。
縄文土器・石器などの遺物は、包含層や竪穴住居址などの遺構内から多数出土しています。中には耳栓、滑石製ペンダントや翡翠製大珠などの装飾品や石棒などが出土しました。
本遺跡周辺では、神成松遺跡をはじめ過去から現在に至る発掘調査によって、縄文時代について多くのことがわかってきています。今後の調査の進展によって、上粕屋扇状地と呼ばれる台地上で、縄文時代草創期から1万年以上の長きにわたって断続的に営まれた縄文集落の全体像が明らかになることが期待されます。