公開日 2025年02月07日
西富岡・長竹遺跡第7次調査
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市西富岡980-11外10筆 - 調査原因
一般国道246号(厚木秦野道路)建設事業に伴う発掘調査 - 調査期間
令和6年4月1日~10月31日(4区)
令和6年11月1日~調査中(5区) - 主な時代
旧石器・縄文・奈良・平安・中世・近世 - 遺跡の立地
渋田川とその支流に挟まれたやせ尾根状台地上
4区の調査は令和6年1月5日から開始しており、今年度は縄文時代の調査から開始しました。
縄文時代の調査では、縄文時代中期後半の曽利式土器を伴う竪穴住居跡が23軒確認されました。前年度に調査を実施した3区の調査からも同時期と考えられる竪穴住居跡が2軒見つかっています。本遺跡のこれまでの発掘調査からは、縄文時代の竪穴住居跡は見つかっていませんでしたが、今回の発見により本遺跡に縄文時代中期後半の集落が営まれていたことがわかってきました。発見された竪穴住居の規模は、直径約8mを測る大きな住居跡から直径約4.5mの小さな住居跡と様々な大きさの住居跡が確認されています。住居内には住居床面を掘り窪めた地床炉や、炉の縁辺に石を配置した石囲い炉などの形態の炉が確認されています。また、埋甕を伴う住居跡も確認されました。J1号住居からは2基の埋甕が確認されており、住居の拡張が行われたと考えています。
旧石器時代の調査では、調査区東側の渋田川に向かう南東側の斜面からは、L1S相当層~B0相当層にかけて槍先形尖頭器や局部磨製石斧、細石刃などが出土しました。また、調査区西側のやせ尾根状の台地上からは、L1H相当層下層~B1相当層上層にかけてナイフ形石器が出土しています。
5区の調査は、令和6年11月1日から開始しました。近世の調査からは、畝状遺構や土地を区画するために掘られた溝状遺構などが確認されており、耕作地として土地利用されていたと推測されます。
中世の調査では、昨年度の調査で確認された堀状遺構の続きが検出されると予想しています。
調査の写真