公開日 2026年03月04日
沼目・天王原遺跡第13地点
遺跡の概要
- 所在地
伊勢原市沼目2丁目71-1他 - 調査原因
集合住宅建設に伴う発掘調査 - 調査期間
令和7年5月8日~9月11日 - 主な時代
縄文・古墳・奈良・平安 - 遺跡の立地
伊勢原台地南東の縁辺部
本遺跡は既に12地点にわたる調査が行われています。今回の調査は第1地点で調査された建物範囲の外側で、新たな建物範囲が調査範囲となりました。しかし、第1地点調査後の建物建設の際に大きく攪乱を受けており、地点によっては、調査範囲の5割以上が失われていました。
遺跡の性格は以前の調査と同様に古墳時代後期から奈良・平安時代の集落が中心で、縄文時代の遺構・遺物も確認されています。
縄文時代の遺構はピットと土坑で、遺物は少量の土器・石器で、遺構に伴うものは少なく、大半は遺構外出土でした。土器の時期は早期から後期までの広い時期のものが出土しています。
古墳時代後期は竪穴住居跡が2基、奈良・平安時代は竪穴住居跡が10基、平安時代の掘立柱建物跡1基、その他溝状遺構や土坑、それにピットです。竪穴住居跡の年代は現在検討中ですが、6基が平安時代、4基が奈良時代、2基が古墳時代後期であるとみられ、竪穴住居跡は4箇所で重複しています。1箇所が古墳時代後期と平安時代の重複で、それ以外は奈良時代と平安時代の重複です。同時期同士の重複はありませんでした。
遺物は土師器・須恵器・施釉陶器類を中心として金属器も出土しました。土器類は相模型の土師器が大部分を占め、他には、武蔵型の坏や甕、盤状坏や比企型の坏、甲斐型の坏や駿東型の土師器、須恵器は南武藏の御殿山窯や北武藏の東金子窯産、それに愛知県の猿投窯産の灰釉陶器などが出土しており、多様な産地の遺物が出土しています。
金属製品で特筆されるものは、7号竪穴住居跡の床面から出土した印で、印材は銅と考えられます。7号竪穴住居跡は、5号竪穴住居跡と重複関係や出土遺物などから、年代的には8世紀後葉から9世紀前葉にあたると考えられます。
銅印は伊勢原市内では初めての出土で、神奈川県内でも4例目となります。印面の文字は現在検討中で、「升」を示す可能性があります。印面の大きさが約3cm四方であることから私印であると考えられます。
銅印以外の金属製品としては、奈良・平安時代の竪穴住居から鎌や刀子などが出土しています。
調査の写真
- A区_2号竪穴住居跡
- カマド全景
- A区_2号竪穴住居跡全景
- C区_11号竪穴住居跡
- 遺物出土状況
- C区_11号竪穴住居跡全景
- D区中央_5・7号竪穴住居跡
- 遺物出土状況
- D区中央_5号竪穴住居跡
- 遺物出土状況
- D区中央_7号竪穴住居跡
- 銅印出土状況
- D区中央_7号竪穴住居跡
- 銅印出土状況
- D区南_3号竪穴住居跡全景
- D区南_6号溝状遺構全景

- 銅印X線写真
- 銅印の印影