公開日 2013年04月01日
更新日 2024年10月18日
新病院の建築費と医療機器の整備費に対して、30億円を上限額とする補助金を長期分割交付します。
(長期分割交付による利子補給分を含めた上限額は36億6900万円)
1 厚生連からの財政支援の要請
平成22年7月22日に、神奈川県厚生農業協同組合連合会(以下「厚生連」)から、伊勢原協同病院移転新築の事業費総額約152億円のうち、50億円の財政支援の要請がありました。
- 資料1 厚生連からの財政支援の要請文書(平成22年7月22日)(PDFファイル:34キロバイト)
- 資料2 伊勢原協同病院移転新築計画 改訂基本構想(平成20年5月厚生連策定)
- 新病院の基本方針、診療規模、建築計画、事業計画などは、伊勢原協同病院のホームページ(外部リンク)をご覧ください。
2 病院の経過・役割
伊勢原協同病院は、前身が町立病院であり、多くの市民が利用されている身近な病院です。また、地域医療の中心的な役割を担っており、市内になくてはならない病院です。
- 伊勢原協同病院は、昭和43年に経営困難などの理由により、伊勢原町から厚生連に経営移管され現在に至っています。
- 伊勢原協同病院は、多くの市民が利用しています。平成21年度の年間利用者(外来・入院)の合計は約35万人であり、このうち、伊勢原市民の利用者は約19万人です。
- 救急搬送者の多くが、伊勢原協同病院に搬送されています。平成21年度の救急搬送者は年間で約3200人で、このうち1200人(約37パーセント)が伊勢原協同病院に搬送されています。
- 伊勢原協同病院は、医療法により公的医療機関とされており、地域医療の中心的な役割を担っています。
- 県と市は、一次救急医療(休日夜間診療所)、二次救急医療(伊勢原協同病院など)、三次救急医療(東海大学医学部付属病院)がそれぞれ役割分担と連携により、昼夜の区別なく、急病や事故などから生命を守る救急医療体制の整備を目指しています。伊勢原協同病院は、二次救急医療機関として、緊急の入院や手術が必要な患者を対象に、医療を提供する中心的な役割を担っています。
3 もしも、伊勢原協同病院がなくなってしまった場合
- 伊勢原協同病院に通院・入院されている人や総合病院を利用する人は、平塚市や秦野市などの、市外の病院に行かなければならず、通院、見舞い、送迎などに、多くの時間や費用を要することとなります。
- 救急搬送される人も、他市町の病院などに搬送されることになります。東海大学医学部付属病院や市内の救急病院では、救急患者の受け入れに限界があります。
- 伊勢原協同病院は、地域医療体制の中心的な役割を担っています。他市町と比べて、充実した本市の地域医療体制は、市民生活の安心を支えています。協同病院がなくなってしまった場合は、市民の不安につながると考えます。
4 財政支援の比較
県内の市立病院では、毎年、一般会計から運営費として12億円以上(9市立病院の平均)が支出されています。また、運営費のほかに、建設費も支出されています。
伊勢原市が市立病院を持った場合、建設費以外に、毎年約10億円の運営費が必要になります。
5 財政支援に対する考え方
伊勢原協同病院移転新築事業費は、事業者が負担すべきと考えますが、支援の必要性、効果などをもとに検討を行い、支援することとしました。
(1)支援の必要性
- 伊勢原協同病院の歴史的経過から、積極的に支援する必要があると考えています。
- 伊勢原協同病院は、二次医療、救急医療、公的病院、災害時医療、保健と福祉の連携など多くの重要な役割を担っており、市内になくてはならない病院です。
- 医療体制を維持、充実させることは、市の責務と考えています。新病院建設にあたり、国から救急医療や施設の耐震化に係る最低限の補助金がありますが、県の補助金はありません。
- 市の財政状況から、市立病院の建設・運営は、困難です。
(2)支援の効果
- より質の高い安心な地域医療体制の確保
新病院により、一次救急医療(診療所)、二次救急医療(伊勢原協同病院など)、三次救急医療(東海大学医学部付属病院)の地域医療体制を充実させることができ、より質の高い、安心な医療サービスの提供ができます。
- 医療・保健サービスの向上と他の医療機関との医療、福祉の連携強化
小児・周産期診療体制の充実、糖尿病対策や他の疾病予防の推進により医療・保健サービスの向上が図られます。また、他の病院や介護保険施設などとの連携・強化が図られます。
- 災害時の医療拠点の確保と災害時活動の連携
大規模地震等の際に、災害医療拠点病院の東海大学医学部付属病院とともに、緊急治療の実施や患者収容スペースの確保など、医療拠点の確保ができます。また、東海大学医学部付属病院や医師会・歯科医師会・薬剤師会と連携を密にして、医療救護活動を行うことができます。
- まちづくりへの影響
新病院の建設により、土地利用の誘導やまちのにぎわいが創出され、経済の活性化や地域の活力につながると考えられます。
6 財政支援額
(1)補助金(案)の検討
国庫交付金や関係法令を参考にして、全体事業費の中から、補助の対象とする事業費、補助金額を検討しました。
事業費の中から、補助対象とすることができる事業費を厳選し、JAグループの支援、国庫交付金、市民利用率をもとに、補助金(検討案)38億6100万円を算出し、検討しましたが、市と厚生連の最終協議の結果、補助金(案)について30億円を上限額とし、長期分割交付することにまとまりました。
(2)補助金等の決定
平成23年3月議会で、補助金について、30億円を上限額とし長期分割交付することが決定されました。
なお、今回の決定は補助金等の総額であり、実際の補助金額は今後決定します。
補助金等の総額(上限額、ア+イ) 36億6900万円
ア 補助金(上限額) 30億円
事業費のうち、病院本棟(付属施設を含む)、緩和ケア病棟、保育所棟の建設経費(用地費、造成費、設計費および事務費を除く)および医療機器等の整備経費を対象とします。補助金を短期間で交付することは困難なため、長期分割交付とします。
イ 利子補給(年利2パーセントの想定額) 6億6900万
補助金を長期分割交付することから、厚生連が借り入れた金額のうち、市補助金額に相当する借入金の償還利子に対して、利子補給を行います。
(3)交付予定期間
平成24年度から平成43年度まで(20年)を予定しています。
市民の皆さんが、より安全で安心して質の高い医療を受けられるよう、伊勢原協同病院移転新築を支援していきます。
ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
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