公開日 2024年04月26日
更新日 2024年07月11日
熱中症予防で知っておきたいこと
熱中症とは
体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調整機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛など様々な症状を起こす病気のことです。
熱中症、こんな人は特に注意
体温調節機能がきかなくなることで起こる熱中症。年齢や体調によってなりやすさは変わります。
子ども、高齢者、屋外で働く人、キッチンで火を使う人、スポーツする人、室内で過ごす人など、周りに気を配りましょう。
家でも熱中症に注意
家にいることで安心してしまう場合もありますが、室内での熱中症は多く発生しています。過度の節電や「この程度の暑さなら大丈夫」と我慢は禁物です。
熱中症予防のポイント
- 暑さに負けない体づくり
(1)水分をこまめにとろう
1日2リットルを目安に、のどが渇く前に飲みましょう。アルコールは水分摂取になりません。手早く塩分
糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクなどによる水分補給もおすすめです。
(2)ぐっすり良眠をとろう
温度28度以下、湿度は50~60%が理想です。帰宅したら、寝室の窓や押し入れ、クローゼットの扉などを
開けて換気をしましょう。
(3)バランスの良い食事をとろう
朝食をとることで、水分も塩分も補給できます。朝食には汁物、旬の野菜や果実を取り入れましょう。
(4)体力づくりをしよう
汗をかける準備をしておくことがとても重要です。普段から週3回運動やウォーキング(マスクをして運動を
するときは、普段よりペースダウンする)などで汗をかきやすくする、運動できないときなどはお風呂に入り適
切に汗をかくなどしてみましょう。 - 暑さに対する工夫を
(1)室内を涼しくしよう
(2)涼しい服装をしよう
汗を吸ったり、すぐ乾く素材(黒は熱を吸収しやすい)選びを。襟元をしめると熱や汗が逃げにくくなるため、できるだけゆるめましょう。
(3)体調に合わせて行動しよう
外出時は日傘や帽子を着用し、こまめな休憩をしましょう。寝不足・二日酔い・風邪・下痢などの症状がある時は、注意が必要です。 - 急に暑くなる日に注意を
梅雨明け、猛暑日や熱帯夜3~4日続いたころに熱中症は増加します。暑さ指数(WBGT)を参考にしましょう
「暑熱順化(しょねつじゅんか)」で熱中症予防
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは身体機能が暑さに適応することです。暑い日が続くと、体がしだいに暑さに慣れて、暑さに強くなります。
暑熱順化すると、暑熱環境での体温上昇や心拍数増加などの生理的ストレスを軽減できます。また循環血液量が増加し、汗のかき始めも早くなります。そのため同一体温に対する汗の量も増え、より効果的な体温調節ができるようになり、熱中症の危険性も少なくなります。
暑熱順化に有効な対策とは
体を暑さに慣れさせることが重要なため、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切です。日常生活の中で、運動や入浴をすることで、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための動きや活動を始め、暑さに備えましょう。
(例)*屋外・・・(1)ウォーキングやジョギング
帰宅時にひと駅分歩く、外出時にできるだけ階段を使用するなど、
意識して少し汗をかくような動きをしましょう。
※目安・・・ウォーキングの場合の時間は、1回30分
ジョギングの場合の時間は、1回15分
⇒どちらも頻度は週5日程度
(2)サイクリング
通勤や買い物など、日常の中で取り入れやすいのがサイクリングです。
※目安・・・時間は、1回30分。頻度は、週3回程度。
*室内・・・(1)筋トレやストレッチ
筋トレやストレッチで軽く汗をかくことができます。運動時の室内の温度には注意し、
暑くなりすぎたり水分や塩分が不足したりしないようにしましょう。
※目安・・・時間は、1回30分。頻度は、週5回~毎日程度。
(2)入浴
シャワーのみで済ませず、湯船にお湯をはって入浴しましょう。
入浴の前後に十分な水分と適度な塩分を補給し、入浴して適度に汗をかくと良いでしょう。
※頻度は、2日に1回程度。
【出典:日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式サイト 熱中症について学ぼう:暑熱順化(https://www.netsuzero.jp/learning/le15)】
熱中症が疑われる人をみかけたら
涼しい場所へ避難させる。衣服を脱がせ、身体を冷やす。水分・塩分を補給する。
自力で水が飲めない、意識がない場合は、直ちに救急車を要請しましょう。
注意していただきたいこと・お願いしたいこと
暑さの感じ方は人によって異なります!
- 暑さに対する抵抗力(感受性)は、体調や暑さへの慣れなどが影響するため、個人によって異なります。
- 自分の体調の変化に気をつけ、暑さの抵抗力に合わせて、万全の予防を心掛けましょう。
熱中症患者の多くは高齢者や子どもです!
- 高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しており、子どもは体温調節能力が十分に発達していないなど、熱中症の発症リスクが高くなっています。
- のどの渇きを感じていなくてもこまめに水分補給をしたり、暑さを感じなくても扇風機やエアコンを使って温度調整をするように心掛けましょう。
まわりが協力して、熱中症予防を呼びかけ合うことが大切です!
- 一人ひとりが周囲の人に気を配り、熱中症の予防を呼びかけ合うことで、発生を防ぐことができます。
- 特に、熱中症にかかりやすい高齢者、障がい児(者)や子どもについては、周囲が協力して注意深く見守るようにしましょう。