公開日 2024年06月15日
更新日 2024年06月15日
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広報いせはら連載企画「シリーズ 匠の技 伊勢原の職人に迫る」
内田幸夫さん(有限会社内田工務店)
経歴
昭和49年1月生まれ(50歳)。高校を卒業後、京都の宮大工のもとで2年間修行、その後地元である伊勢原に戻り工務店で4年間修行し、24歳で独立。社寺建築の現場で経験を積み、腕を磨く。30歳で一級建築士の資格を取得し、会社を設立。現在は、(一社)日本伝統建築技術保存会の理事を務めるとともに、11人の弟子の育成に力を入れている。
1000年先も残る仕事 未来の文化財をつくる
幼いころからものづくりが好きで、大工になることが夢でした。工業高校(建築科)を卒業後、さまざまな現場での修行を経て、現在は宮大工として神社仏閣、茶室などの新築や修復、高級和風住宅なども手がけています。宮大工は建築技術をはじめ、美術や設計など幅広い知識が必要なため、一人前になるには長い時間がかかります。現在は、身に付けた技術を次の世代につなぐため、若手の育成にも力を注いでいます。最近では、さまざまな現場の経験を積んでもらうために、弟子を沖縄県の首里城正殿復元や広島県の厳島神社などへ従事させています。
国宝や重要文化財の修復に携わるには資格が必要です。伝統建築の修復は、 元々の素材をできるだけ生かす必要があるため、慎重に解体し、どの部分の部材か細かく記録します。部材を見ると当時の様子が分かり、先人の仕事に触れられることがとても興味深く、勉強になります。100年、1000年先も自分の仕事が未来に残ることを意識し、将来の国宝や重要文化財をつくる思いで、これからも真摯に仕事と向き合います。