公開日 2024年07月15日
他の方の掲載内容など、詳しくはこちらをご覧ください。
広報いせはら連載企画「シリーズ 匠の技 伊勢原の職人に迫る」
小沼慶多さん(AFURI BLUE BRAND)
経歴
昭和62年7月生まれ(36歳)。小さいころから野球を続け、大学卒業後は高校の体育教師として10年間勤務。その後、プロ野球独立リーグに参入する県内の球団の立ち上げに、初代マネジャーとして携わる。チームが日本一になったことを機に辞め、生まれ育った伊勢原の地で仕事をするため、令和4年に藍染工房を立ち上げ、現在は藍師として活動中。
地元で誇れる地場産のものを アフリブルーの誕生
教員時代、生徒がお気に入りのジーパンを汚されて喧嘩していました。理由を聞くと、ジーパンが藍染の大切なものであったことを知り、話を聞くうちに私も興味を持つようになりました。そこから何人かの生徒と一緒に藍染体験に行ったことが出会ったきっかけです。
その後、転職して地元に貢献したいと思うようになり、何か地元で誇れるものを作れないかと考えたとき、ふと藍染体験のことを思い出しました。勉強のため生産地に行き、藍染の染料の基となる藍を栽培している人に会いましたが、伊勢原の土地や気候ではうまく生育せず難しいと言われていました。しかし研究を重ね、何とか染料を作るまでに至りました。
私が行っている泥藍という染料の作り方は、葉を水につけ石灰を混ぜて発酵させます。1週間ほどで沈殿物が残り、それが染料のもととなります。そこから木灰を水に入れて出たあくを混ぜ合わせ、染料ができます。
藍染めをもっと身近に、カジュアルに楽しんでほしいと思い、できるだけ1人でやることでコスト削減に努めています。いずれは地域の子どもたちに定着し、「伊勢原の色は藍色」と言ってもらうことが目標です。