公開日 2024年11月15日
更新日 2024年11月15日
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広報いせはら連載企画「シリーズ 匠の技 伊勢原の職人に迫る」
成瀬善之さん(有限会社 成瀬石材店)
経歴
昭和53年10月生まれ(46歳)。大学卒業後は道路工事関係の会社に3年間勤務し、仕事のイロハを学ぶ。江戸時代末期から続く石屋の家系に生まれ、将来は石工として家業を継ぐという思いが幼いころから自然とあったため、先代の父が営む成瀬石材店で25歳から働き始め、現在は6代目として石材業を中心に営んでいる。
「先人に学ぶこと」と「挑戦すること」過去と未来をつなぐ日向石(ひなたいし) プロジェクト
日向地区では江戸時代初期から1970年代までの350年間、日向石を使った石材業が盛んであり、私の店も、先々代までは日向石を産業の中心としていました。切り出し直後の青がかった色が特徴の日向石は、かつて市内の社寺仏閣でも多く使用されていました。現在はあまり知られていないことから、伊勢原の石工として、先人たちが築き上げた町の歴史・文化を日向石を通じて未来へつなぐ活動をするべく「日向石プロジェク ト」を立ち上げました。
しかし、日向石の石切場はすでに閉ざされており、新しく切り出すことが難しいため、限られた資源しかありません。その中でどうやって多くの人に日向石を伝えられるか模索し、既存の石を使用した小物を作ったり、 加工で出た粉をガラスや陶器に利用したり、商品の開発を進めています。また、イベント出展や体験ツアーを行い、実際に石に触れる機会を創出する活動も行っています。
前例のない手探りの毎日ですが、日々新しいことへ挑戦をするこの活動が楽しいからこそ、現在まで続けることができています。この活動が地域産業の復活や市の観光につながることに期待し、石材業を盛り上げていきたいです。