施政方針 令和8年2月17日

公開日 2026年02月17日

更新日 2026年02月18日

 

とき:令和8年2月17日

ところ:令和8年3月定例会

 

 市長に就任して以来、このふるさと伊勢原市が未来へ向けて力強く歩みを進めるため、様々な行政課題の解決や公約の実現に向け、真摯に、スピード感を持って市政運営に努めてまいりました。
まずは、議員の皆様をはじめとする関係する方々の御理解と御協力を賜りましたことに深く感謝を申し上げます。
 昨年は、子どもの健やかな成長に向けて、子育て支援機能の充実を図る拠点施設として「こどもみらいプラザ」の運用を開始したほか、市民が生き生きとした健康でこころ豊かに暮らしていくことができる健康文化都市をめざし、健康づくり推進条例の制定に取り組みました。
 また、働きやすい職場環境などをテーマに若手職員との座談会を実施し、これからの市政運営などについて意見交換を行うなど、できることから着手しているところです。
こうした取組を進める中、本市の経営資源となり得る環境の変化として、新東名高速道路のインターチェンジの開通により、交通アクセスが飛躍的な向上を遂げ、伊勢原大山インターチェンジ周辺において産業拠点整備が進められています。
 さらには、小田急電鉄株式会社の総合車両所建設計画の進捗や、都市計画道路田中笠窪線の整備が進むなど、本市の持続的な発展に向けた都市基盤の整備が一歩一歩確実に進んでいます。
 令和8年度は、本市が将来にわたり持続的に発展していくための重要な転換期となりますので、これまで培ってきた歴史と文化を大切にしつつ、新たな時代の潮流を捉え、未来を見据えた持続可能なまちづくりを強力に推進していく必要があるものと考えています。

 さて、我が国の景気は、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境が緩やかに改善する中、物価上昇を上回る賃上げが期待されますが、各国の通商政策、物価高騰、金融資本市場の変動等の影響に十分留意しながら、国の経済対策等を注視し、足並みを揃えて施策を推進する必要があります。
市民の日々の暮らしを取り巻く環境は厳しさを増している状況にあり、未来へ向けた投資的な事業を計画的に展開しつつ、持続的な行政サービスを提供していくため、実行力のある舵取りが求められているとの認識です。
こうした状況を踏まえ、令和8年度予算は、第6次総合計画で掲げる将来都市像「暮らしやすさ実感都市 伊勢原」の実現に向けて、直面する諸課題に適切に対応し、全ての市民が安心して住み続けることができるように、また、選ばれるまちとなるように、「経営的な視点から事務事業の見直しに取り組み、未来へつなぐ予算」を基本的な方針として編成することといたしました。

 第一に、未来の経営資源となる都市基盤整備を図り、市民の皆様の安心・安全で豊かな都市生活の実現と、都市経済の活性化等を推進するとともに、必要な行政サービスの継続性を確保し、一歩ずつ、着実に事業の充実を図ることを基本としました。
予算計上事業にあっては、改めて事業の内容、実施方法等をしっかりと精査して、必要最小限の額とすることといたしました。
 具体的には、都市計画道路田中笠窪線整備事業や伊勢原駅北口市街地整備推進事業、新たな産業系用地の創出に取り組むほか、小田急電鉄株式会社が進める総合車両所の移転計画地周辺の地域基盤施設整備事業など、必要な投資については継続・拡充を図ります。
その上で、次代を担う子どもたちを安心して産み育てることができる環境の充実や、課題が山積する教育環境への対応として、小中学校への空調整備に計画的に取り組むとともに、いわゆる小学校給食の無償化や不登校対策の強化に加え、妊婦健康診査費用の助成額を拡充するなど、ハードとソフトの両面から取組を進めていくことといたしました。
 また、引き続き、行政改革やICT化の推進など、事務事業の節減・効率化を図る取組により、持続可能な都市経営の実現に向けて、未来への道筋をつけるための予算の編成に取り組んだところです。
 なお、施策の推進に伴い生じます財源不足への対応として、新たな歳入確保策と特定財源の有効活用を図るとともに、市債の適切な活用を見込みます。また、さらに不足する財源については、残高をしっかりと確保した上で、財政調整基金を繰り入れ、施策推進と財政健全化とのバランスを図りながら、責任ある財政運営の推進に努めてまいる考えです。

 それでは、令和8年度伊勢原市予算の概要につきまして、御説明します。
金額は、100万円単位とさせていただきます。
また、比較増減は、令和7年度当初予算に対するものとなります。
まず、予算規模について申し上げます。
一般会計の予算額は、402億1,700万円で、7億7,200万円の増となりました。
主な要因といたしましては、都市計画道路田中笠窪線の整備や、伊勢原大山インター土地区画整理推進事業の推進のほか、総合車両所の移転計画地周辺の地域基盤施設整備事業、小中学校におけるGIGAスクール構想の推進にかかる経費のほか、第6次総合計画・実施計画に掲げる重点事業の推進に係る事業費の増、扶助費や職員給与費の増などによるものです。
 4つの特別会計の予算額は、
合計209億1,700万円で、7億7,100万円の増となりました。
用地取得事業特別会計で都市計画道路伊勢原駅前線用地の先行取得に伴い、用地取得事業特別会計が増となるほか、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計が増となりました。
 公営企業会計の予算額は、57億6,100万円で、7,500万円の減となりました。
以上、6会計の予算額の合計は、668億9,500万円で、14億6,800万円の増となりました。

○ 次に、一般会計予算案の概要について申し上げます。
 まず、歳入です。
○ 一般財源額は、245億4,400万円で、8億9,800万円の増となりました。
 市税が増となったことに加え、地方消費税交付金や普通交付税が増となったことなどによるものです。
○ 続きまして、予算の科目別に主なものを申し上げます。
○ 市税は、5億3,900万円の増となりました。
○ 法人市民税は、企業収益の減等により減となる一方、個人市民税は給与所得の増や長期譲渡所得及び株式譲渡所 得の増を見込み、固定資産税は、評価替えによる地価の上昇などにより、それぞれ増収を見込み、市税総体としても増を見込みました。
○ なお、軽自動車税は、環境性能割が廃止となることなどにより、前年度対比△4.4%、1,100万円の減を見込みました。
○ 国庫支出金は、1億2,100万円の減を見込みました。
デジタル基盤改革支援補助金の減や、市街地再開発事業費補助金の減などによるものです。
○ 県支出金は、1億9,500万円の増となりました。
給食費負担軽減交付金の皆増などによるものです。
○ 寄附金は、6,200万円の増となりました。
まちづくり市民ファンド寄附金の増などによるものです。
○ 諸収入は、4億1,000万円の増となりました。
地域基盤施設整備事業負担金の皆増などによるものです。

○ 続きまして、歳出の性質別に主な内容を申し上げます。
○ 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は、4億8,800万円の増となりました。
公債費が減となる一方、人件費及び扶助費が増となることによるものです。
○ 物件費は、3億5,400万円の増となりました。
自治体情報システム標準化・共通化事業費や小中学校におけるGIGAスクール構想の推進にかかる経費などが増となることによるものです。
○ 普通建設事業費は、2億9,700万円の減となりました。
都市計画道路田中笠窪線整備事業が増となるものの、国の補正予算を活用して一部の事業を前倒したことに加え、伊勢原駅北口市街地整備推進事業費や、カーボンニュートラル推進事業費などが減となったことなどによるものです。

○ 続きまして、各特別会計について申し上げます。
○ 国民健康保険事業特別会計は、7,300万円の減となりました。
一般会計からの繰入金は、2,400万円の減です。
○ 用地取得事業特別会計は、3億4,300万円の増となりました。
一般会計からの繰入金は、2,900万円の減です。
○ 介護保険事業特別会計は、2億4,500万円の増です。
一般会計からの繰入金は、2,100万円の増です。
○ 後期高齢者医療事業特別会計は、2億5,600万円の増です。
一般会計からの繰入金は、3,800万円の増です。
○ 最後に、公営企業会計について申し上げます。
○ 公共下水道事業会計は、7,500万円の減となりました。
一般会計からの繰入金は、負担金、補助金及び出資金の合計で、前年度と同額の9億1,700万円です。

○ 次に、第6次総合計画・実施計画の施策体系に沿って、令和8年度の主な取組を御説明いたします。
● まず、「防災・安全分野」です。
○ 「防災」の施策では、いせはら雨量観測マップをクラウド化し、リアルタイム情報を活用することで、早期の避難判断や事前対応の精度を高める取組を進めます。
また、緑台小学校にマンホールトイレユニット及び収納庫を整備し、避難所における衛生環境の向上に努めます。
○ 「消防・救急」の施策では、火災現場の空撮、上空からの山岳遭難者の捜索、土砂災害による孤立集落の確認及び避難誘導など、現場活動の効率化を図るため、無人航空機(ドローン)を導入します。また、林野火災対応資機材を整備し、林野火災発生時の対応力向上を図ります。

● 次に、「福祉・保健分野」です。
○ 「地域福祉」の施策では、複雑化・複合的な福祉課題に対し、関係機関が協働・連携して支援できる包括的な体制の構築に向けた専門職の配置や、地域の担い手づくりのための普及啓発を実施します。
○ 「健康づくり」の施策では、若年のがん患者に在宅生活に必要な経費の一部を補助し、患者とその家族の負担軽減を図り、住み慣れた自宅で最後まで安心して自分らしい生活が送れるよう支援します。

● 次に、「子育て・教育分野」です。
○ 「子育て支援」の施策では、「妊産婦健康診査」に係る費用の助成額を拡充するとともに、出産後の母子に対して、心身のケアや育児サポートを行い、産後も安心して子育てができるよう支援するほか、子育てしやすい環境づくりに向け、引き続き紙おむつ等を支給し、子育て世帯の経済的な負担軽減を図るとともに、次代を担う子どもの健やかな成長を応援します。
○ 「幼児教育・保育」の施策では、直接的な保育士確保策として、保育士に対して奨学金返済の補助を行うほか、就職説明会を開催し、保育体制の拡充に取り組みます。また、多様な児童に応じた適切な教育・保育の機会を継続的かつ安定的に提供するとともに、待機児童の解消を図るため、心身の障がいをはじめ、支援を必要とする児童を受け入れる保育所等に対する補助を行います。
○ 「若者・青少年」の施策では、こども・若者が安全で安心して過ごせる居場所の1つとして、児童館を移管した地域コミュニティの中に、様々な体験や多様な人々と交流する機会を提供する居場所づくりに取り組みます。
○ 「学校教育」の施策では、小中学校の不登校の児童生徒やその保護者の不安を軽減し孤立を防ぐことを目的に、フリースクール等との連携を図りながら、支援情報の提供や語り合える場づくりを行います。また、小中学校における不登校の未然防止に資するような教育課程や学校風土の構築に係る実践研究を推進します。
○ 「教育環境整備」の施策では、市立小中学校の望ましい学校規模等に関する基本方針に基づき、対応策の検討が必要な学校に関する現状や課題等を整理するため、関係者に対するアンケート調査を実施します。
○ また、良好な学習環境を整備するとともに災害時の避難所機能の向上を図るため、小学校3校及び中学校4校の体育館空調設備整備工事設計に取り組むとともに、成瀬中学校及び伊勢原中学校の整備工事に着手します。
○ さらに、保護者の経済的な負担軽減と子育て支援を一層充実させるため、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、小学校給食費の抜本的な負担軽減、「いわゆる給食無償化」を実施します。

● 次に、「産業・環境分野」です。
○ 「農林業」の施策では、スマート農業等の導入を支援することにより、農業の生産性の向上と労働力不足を解消し、農業経営の拡大及び効率化を図ります。
○ 「地球・生活環境 」の施策では、「ゼロカーボンシティいせはら」の実現に向けて、住宅への太陽光発電設備及び蓄電池の導入費用の一部を補助をするとともに、住宅の省エネルギー性能の向上を促すため、ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH(ゼッチ))及び断熱窓改修費用の一部を補助します。
○ 「循環型社会」の施策では、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集を開始し、プラスチック類の資源循環の促進を図ります。また、ペットボトルの中間処理業務を民間事業者施設で行うことにより、資源物の安定的な処理及び再商品化を推進します。

● 次に、「都市基盤分野」です。
○ 「新たな土地利用」の施策では、広域交通ネットワークを生かし、適切な土地利用を推進するため、三ノ宮中初川周辺地区における産業系市街地の創出に向けた調査・検討を進めるとともに、総合車両所建設計画等を契機とした、新たな地域拠点の創出に向けたまちづくりの調査・検討を進めます。
○ また、小田急電鉄株式会社が進める総合車両所の移転計画地周辺において、地域の向上に資する機能補償のための地域基盤施設整備に取り組みます。
○ 「都市整備」の施策では、再開発組合の設立に向け、最適な事業計画の精査・立案に取り組むとともに、事業計画に対する権利者の合意形成を図ります。あわせて、事業を円滑に推進するため、都市計画道路伊勢原駅前線の新たな用地先行取得を進めます。
○ 「道路」の施策では、都市計画道路田中笠窪線の整備を計画的に進めるほか、安全な交通環境や歩行空間の確保に向け、交通安全施設の整備を計画的に推進します。
○ 「公共交通」の施策では、地域公共交通計画に基づき、公共交通空白地区等における移動環境支援の取組を進めます。

● 最後に、「市民・行政分野」です。
○ 「広報・シティプロモーション」の施策では、市公式インスタグラムをはじめとする各種SNSによる魅力発信や、市民・事業者等の多様な主体と連携したシティプロモーションを推進します。また、定住・交流人口の増加を図るため、定住促進ポータルサイトの運営等に取り組みます。
○ 「行財政運営」の施策では、安定的な経営体質へ転換するため、個人向けふるさと納税及び企業版ふるさと納税をはじめとして積極的に税外収入の確保を図るほか、クラウドファンディング等の新たな財源の確保に取り組みます。

○ 以上、第6次総合計画・実施計画に位置づける重点事業のうち、当初予算に計上して取り組む主な事業について説明し、令和8年度の施政方針並びに予算編成大綱を申し述べました。
○ 今回の予算編成は、各部によるマネジメントを柱に据えて取り組みました。変化の激しい時代、先行きの見えない時代の中にあって、職員のさらなるコスト意識の向上や、稼ぐことに対する意識の醸成等に努め、「市政経営」を進めてまいる考えです。
○ これからも、市民の皆様に、まちの将来の姿を共有し、一緒になって、丁寧にまちづくりを進めてまいります。そして、将来にわたって「伊勢原に住んでよかった」、「伊勢原で育ってよかった」と、誰もが思えるまちをめざしてまいります。

様々な施策や取組を展開するに当たっては、財政の健全化にも配慮しながら進めていくことになりますので、皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
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