公開日 2010年12月28日
更新日 2020年06月29日
みなさんの家庭から出される燃やすごみは、年間約24,000トンになります。その燃やすごみのうち約35.3パーセントは生ごみです。生ごみの約70パーセントは水分だといわれていますので、年間約5,930トンもの水分を燃やしていることになります。
ここでは、「生ごみ減量と水切り」・「手軽な堆肥づくり」をみなさんのご家庭で実践していただくための方法を紹介します。ぜひ「生ごみ減量・リサイクル」にチャレンジしてみてください。
生ごみの水切り効果
ごみとして出す前に水切りをするとどんな効果があるのか。
- 収集場所の環境改善(悪臭、カラス被害など)
- 収集運搬作業の軽減、収集車からの水落ち防止、収集車のCO2発生抑制
- 焼却施設の焼却効率の向上
※水分の多いものを焼却するには、相当なエネルギーを必要とします- 焼却量の減少によるCO2削減
生ごみ減量と水切りのポイント
- 料理は食べる分だけつくる
- 野菜などは使えない部分を洗う前に切り落とし、水に濡らさない
- 三角コーナーの生ごみは水のかからない状態で一定時間放置し、水切りする
- 水切りネットの生ごみはひと絞りする
※手で直接絞るのではなく、三角コーナー、瓶、缶、ペットボトルなどの底を生ごみに押し当てて絞ることもできます
手軽な堆肥づくり
ご家庭にあった方法を選んでチャレンジしてみてください。
※ごみ減量・リサイクルの推進のための補助制度などを紹介します。
1.コンポスターで堆肥づくり
庭などにプラスチック製の円柱の容器を埋め込んで使う方法で、土の中の微生物やミミズなどの働きを利用し生ごみを堆肥化します。
生ごみの他、枯葉、枯草、小枝などを堆肥にすることもでき、できた堆肥は家庭菜園やガーデニングに利用していただくことができます。また、容器の大きさに種類があり生ごみが多く出るご家庭にも対応できます。
- コンポスターの設置
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コンポスターが入るサイズの20~30センチメートル程度の深さの穴を掘り、水はけを良くするため、土をよくほぐしてから容器の下部を 約10センチメートルほど埋めて固定する。
- コンポスターの床を作る
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底に10センチメートル厚くらい水分調整材を入れて、その上に5センチメートル厚くらい乾いた土を入れます。
- コンポスターに生ごみを入れる
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- 生ごみは、細かく切って入れましょう(微生物が働きやすいように)。新聞紙で包み、一日ぐらい干すとより効果があります。 (水分量約60パーセントが目安)
- 容器中身の水分が多いときには、枯葉、枯草、乾いた土を投入すると効果があります。
- 生ごみに米ぬかを混ぜると発酵促進や消臭の効果があります。
- 大きな骨、貝殻、液体(醤油、牛乳など)、腐った生ごみは入れない方がよいでしょう。
- こまめに、かき混ぜて新鮮な空気を入れましょう。(できるだけフタを開けて、風と日光も入れます)フタを開けている時は、虫入らないように布などをかぶせます。
- 堆肥として使う
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分解発酵が進むと、容器の中の温度が上がり、約2~3カ月後、水分がなくなり、黒っぽく変色してきたら取り出して外の土と 混ぜます。さらに2~3カ月たつと堆肥として使用できます。
- アドバイス
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- コンポスター容器は一般的な家庭用のものでは100~200リットル位のものがあります。ご家庭の生ごみの量に合ったもの を選びましょう。(園芸店、ホームセンターなどで購入できます。) 例)3~4人家族で約130リットル
- コンポスターを2つ用意して交互に使うと、効率よく堆肥を作ることができます。
2.電動生ごみ処理機で堆肥づくり
バイオ型
軒下、ベランダ、物置、車庫など直接雨のあたらないところに置いて使います。ヒーターで保温したり、かくはん装置で通気性を良くするなど、微生物に適した環境をつくりだし、その微生物により生ごみを分解させ堆肥化します。
できた堆肥は家庭菜園やガーデニングに利用していただくことができます。また、最近は室内でも使用できるものも販売されています。
- 性能
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- 処理方式・・・バイオ型は微生物に生ごみを分解させる方式
- サイズ・・・30センチメートル(幅)×50センチメートル(奥行)×60センチメートル(高さ)程度
- 処理能力・・・1日の標準処理量 700g~1キログラム
- 処理時間・・・標準処理量にかかる時間 4.5時間~24時間
- 減容率・・・約88パーセント~97パーセント
- 電気代・・・270~840円/月
- メンテナンス・・・3~6カ月毎に微生物入った専用の基材を交換する。
- 脱臭処理はできるが基本的な臭いはバイオ型特有の腐葉土のような臭いがする。
- 使用方法
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- 処理機に、微生物の入った基材を入れる。処理機にそれぞれ専用の基材が用意されています。
- 生ごみの水分をよく切ってから処理機に入れます。
- フタを閉めると数分間かくはんを開始し、その後、30分~1時間に数分間かくはんして分解を進める。
- 生ごみは、随時投入可能で、3~6カ月間そのまま使うことができる。
- 処理物を取り出し、微生物の入った基材を入れ替える。(処理機によって、全部を一度に入れ替える)
- 処理に向かないもの
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動物の骨、貝殻、トウモロコシの芯、梅干しや果物などの種などの硬いもの、腐敗した生ごみなどは入れない方がよい。
- アドバイス
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- 家庭用電動生ごみ処理機は大別して、バイオ型と乾燥型の二つがあります。
バイオ型は微生物の力を使って生ごみを分解し、堆肥化します。生ごみの減容化だけでなく、堆肥として有効活用できます。
乾燥型は生ごみを温風等により加熱し、水分を蒸発させ、生ごみを減容化、衛生化します。乾燥型はバイオ型に比べて電気代 はかかるが、手間が少なく短 時間で処理でき、減容されたものは堆肥の材料として活用できます。
- 家庭用電動生ごみ処理機はメーカーごとに様々な機能がついていますので、ご家庭でどのように使いたいかをよく考えて選ぶ とよいでしょう。
- 家庭用電動生ごみ処理機は大別して、バイオ型と乾燥型の二つがあります。
乾燥型
かくはんしながら電気で加熱し、生ごみを乾燥させて減容します。生ごみの臭いや虫の発生の心配がないため、キッチンに置いて使うことがでます。また、堆肥として利用するために行う2次処理もしやすくなります。
- 性能
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- 処理方式・・・高温の温風で生ごみを乾燥処理する方式
- サイズ・・・30センチメートル(幅)×50センチメートル(奥行)×50センチメートル(高さ)程度
- 処理能力・・・1日の標準処理量 400~700g
- 処理時間・・・標準処理量にかかる時間 1時間45分
- 減容率・・・約86パーセント
- 電気代・・・630~900円/月
- メンテナンス・・・1週間に1度くらい、処理された乾燥生ごみを取り出す。
- 使用方法
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- 1日分の生ごみをまとめて、よく水を切ってから処理機に入れます。
- フタを閉めてスタートボタンを押すと処理が始まり、終わると自動停止します。
- 1日の生ごみの量が700g程度であれば、1週間くらいは処理した生ごみ取り出さずに、そのまま次の生ごみを入れます。
- 処理容器がいっぱいになったら、処理した生ごみを取り出します。
- 処理した生ごみに黒土を混ぜ、2カ月くらい熟成させると、堆肥として使えるようになります。
- 処理に向かないもの
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動物の骨、貝殻、トウモロコシの芯、梅干しや果物などの種などの硬いもの、腐敗した生ごみなどは入れない方がよい。
- アドバイス
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- 家庭用電動生ごみ処理機は大別して、バイオ型と乾燥型の二つがあります。
バイオ型は微生物の力を使って生ごみを分解し、堆肥化します。生ごみの減 容化だけでなく、堆肥として有効活用できます。
乾燥型は生ごみを温風等により加熱し、水分を蒸発させ、生ごみを減容化、衛生化します。乾燥型はバイオ型に比べて電気代 はかかるが、手間が少なく短 時間で処理でき、減容されたものは堆肥の材料として活用できます。
- 家庭用電動生ごみ処理機はメーカーごとに様々な機能がついていますので、ご家庭でどのように使いたいかをよく考えて選ぶ とよいでしょう。
- 家庭用電動生ごみ処理機は大別して、バイオ型と乾燥型の二つがあります。
3.密閉式容器で堆肥づくり
空気のない状態で活動する微生物の働きを利用する方法です。密閉式の容器を使うため、虫が発生しづらいのが特徴で、室内でも使用できます。
- 手順
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- ボカシを入れる 容器の底にボカシ(または米ぬか)をまきます。
- 生ごみを入れる
- 生ごみはよく水を切ります。
- 生ごみはできるだけ細かくします。
- 新しい生ごみのみを使うようにします。
- 生ごみ500gに対し10~20g程度のボカシをふりかけ軽くかき混ぜます。
- 空気を押し出す 生ごみを上から押さえ、生ごみの間にある空気を押し出し、容器のフタをしっかりと閉め、直射日光のあたらないところに置きます。
- 日々の管理 毎日、手順2、3を繰り返します。発酵が進むと、容器の底に発酵液が溜まってくるので、こまめに抜き取ります。 発酵液にはたくさんの微生物と栄養分が含まれているので、植物などに散布すると良い液肥になります。水で1000~2000倍に薄めて週1回程度お使いください。
- 堆肥として使う
- 生ごみ処理開始から2週間ほどしたら、土と混ぜます。(夏場の臭いの出やすい時期は1週間程度)
- うね間に溝を掘り、処理した生ごみを少しずつ撒き、土とよく混ぜてから土を被せます。
- プランターで使用する場合は、処理した生ごみ1に対し土4程度を混ぜ、1カ月程度おき、生ごみの臭いが無くなったら作物 を植えます。
- 処理に向かないもの
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動物の骨、貝殻、トウモロコシの芯、梅干しや果物などの種などの硬いもの、腐敗した生ごみなどは入れない方がよい。
- アドバイス
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- 密閉式容器(10~20リットル程度)で底が2重になっていて、水抜きのコックがついたものが便利です。(園芸店、ホームセンタ ーなどで購入できます。)
- ボカシとは米ぬかやもみ殻などを有用微生物群と混ぜ合わせたものです。(園芸店、ホームセンターなどで購入できます。)
- 密閉式容器を2つ用意して交互に使うと、効率よくできます。
4.ダンボール箱で堆肥づくり
少ない費用で、冬でも室内で堆肥づくりが簡単にできる方法です。
空気が好きな好気性微生物の働きで生ごみが分解され生成物が土壌還元可能なものになりますので、ぜひ試してみてください。
- 用意するもの
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ダンボール箱・・・みかん箱(10キログラム入り程度のもの)のような厚手のもの2箱
新聞紙やダンボール・・・内底の補強用として新聞紙は2日分程度
土台・・・箱の底を浮かせるものとして角材(5センチメートル角位)やスノコなど
ヘラやゴム手袋・・・かくはん用(しゃもじなど)
基材・・・ピートモスともみがらくん炭を6対4位の割合で混ぜたもの
20リットル位 (箱の深さの半分程度まで入れる)
(基材の材料は園芸店、ホームセンターなどで購入できます。)
- 作り方
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- ダンボールの組み立て
ダンボールの上ぶたを立てて、ガムテープで四隅を隙間なくとめ、底もガムテープでとめてから底が抜けないよう新聞紙やダンボールを敷いて補強します。他のダンボールでフタをつくります。
- 基材を入れる
ピートモスともみがらくん炭をダンボール箱の深さ半分くらいまで入れ、水を加えてよく混ぜ合わせます。(水分は基材をにぎっ て開いたときすぐ崩れない程度が適当)
- 通気を良くする
ダンボール箱からは生ごみの分解に伴う水蒸気が全面から発生するので、周りの通気を良くしておきます。
特に、ダンボール箱の下には角材やスノコを置いて床との隙間をとり、通気性を良くしてください。
- 生ごみを入れる
生ごみを細かくして入れると、かき混ぜやすく、分解も早くなるので一つの箱でながく続けられます。水分の多いものは、少し 乾かして入れるか2~3回に分けて入れる。
投入量は1日平均500g(2~4人家族程度)は、処理できます。
ハエなどの虫が入らないように隙間がないようにしてください。
- 日々の管理
1日1回、あるいは生ごみを入れる度、ダンボール箱の中をかき混ぜる空気をとり入れます。
基材の水分状態を注意しながら、1~2週間すると温度が30~40度ぐらいになります。
保湿、防臭、防虫のため必ず、箱にはフタをかぶせる。
- いつまで続けるか
上手に管理すれば、約3カ月位で30~40キログラムの生ごみが処理できますが、ダンボール箱の横が湿り気でふくらんできたら、 箱を取り替える。
基材がべたついてきたり、ダマ(固まりがおおくなり、サラサラでない状態)になってきたら、終了です。
- 堆肥として使う
3カ月ぐらい続けたら、生ごみを入れるのをやめ、時々かき混ぜます。
1~2週間後、同量の土と混ぜ1~2カ月程度置くと土壌改良材として使えるようになります。
- ダンボールの組み立て
- 処理に向かないもの
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動物の骨(一度入れて骨だけになったら取り出す)、貝殻、トウモロコシの芯、梅干しなどの種、腐敗した生ごみやペットのフン 、塩鮭や塩辛など塩分の多いものは入れない方がよい。
- アドバイス
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- 気をつけること
- 最初は微生物がほとんどいないので、すぐには発酵分解は始まらない。7~10日間くらい生ごみを入れ続けていると微生物も増え、発酵熱も30度を超えるようになる。
- 中の温度が30度になるまでは15度以上のところへ置き微生物の動きを良くする。
- ダンボールは発酵分解時に出る水蒸気を外に逃がしたり、必要な空気を通したりするので、通気性のないビニールなどで覆わないこと。
- カビなどの発生もあることから、アレルギーを持っている人は室内での堆肥化は避けたほうがよい。
- 温度について
- 野菜くずばかりだと温度はあまり上がらない(30度位)が、ゆっくりと分解している。
- 温度は入れた生ごみの量や種類、混ぜかたによって異なる。(25~70度の間で上下し、一定ではない)
- 温度がなかなか上がらないときは、米ぬか、使用済みてんぷら油(200cc以下) などを入れるとよい。ただし、入れすぎると臭いが発生します。
- 臭いについて
- 発酵臭がします。(軽いカビ臭)
- 生ごみの量が多すぎたり、かき混ぜが不十分だと水分の多い固まりができ、悪臭が発生します。
- 一度に多量の魚のあらなどを入れると、強いアンモニア臭が出ることがある。
- 臭いが出たときは、基材を2~3リットル加えてよくかき混ぜると臭いは弱まります。
- 虫の発生について
- 温度を上げて、よくかき混ぜていると虫は発生しにくいです。
- 生ごみを4~5日以上も入れないでかき混ぜもしないでおくと、ダニが発生することがあります。
- 箱の周囲を古毛布など通気性のあるもので保温する。この状態で天ぷら油200~300cc位をよくかき混ぜると、翌日には箱全体が60度位まで上がり、ハエの幼虫などは死んでしまいます。
- 気をつけること
堆肥で作物を育ててみましょう!
- できた堆肥はどう使うか
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堆肥化が済むと、いよいよ庭や畑あるいはプランターに入れて使うこととなります。できた堆肥の使い方は、植物の根に直接堆 肥が触れないようにするなど、他の堆肥と同様です。
生ごみ堆肥は、土の中の肥料成分や水分を保持し、通気を良くし、作物の成育に好ましい土壌の状態をつくり出す働きをします。ただし、不足する肥料成分は他のもので補う必要があります。
- 堆肥はどれくらい施せばいいのか
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- 畑の場合:1平方メートル当たり3~4リットル(坪当たり9~12リットル)
- プランターの場合:土の量の10パーセント前後
- 堆肥はどのように施せばいいのか
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堆肥の種類 施肥方法 やり方 植える種類 全面施肥 土の表面全体に施肥し軽くすきこむ。施肥して1週間~10日間以上たってから播種や苗植をする。 (秋に収穫が終わってから施肥し、春まで寝かせる方法もあります) 葉菜類(小松菜、ほうれん草など)、果菜類(トマト、ナスなど) 植穴施肥 苗を植える穴に一つかみ程度をいれ、土を3センチメートル位かぶせ、その上に苗を植える。根に堆肥がふれないようにする 果菜類(トマト、ナスなど) 溝施肥 畝の真下やわきに深めの溝を掘って堆肥をいれ、その上に土を3センチメートル位かぶせ、その上に播種や苗植をする 葉菜類(キャベツ、ハクサイなど) 株元施肥 追肥時には、苗の株元の表面に1~2つかみ程度施肥する 果菜類(トマト、ナスなど) ※入れすぎはアブラムシ等の病害虫が発生しやすくなります
※畑や苗の状態を見ながら施肥します。