公開日 2020年08月01日
更新日 2024年04月01日
これまで、任意接種(全額自己負担)であった、ロタウイルス感染症予防接種が令和2年10月1日から予防接種法に基づく定期予防接種(公費負担)になりました。対象者に制限がありますのでご注意ください。
ロタウイルス胃腸炎とは
口から侵入したロタウイルスが腸管に感染して発症します。感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても、感染予防することが難しいため、乳幼児のうちに、ほどんどの子どもが感染します。下痢や嘔吐は1週間程度で治りますが、下痢、嘔吐が激しくなると脱水症状を起こす場合もあり、乳幼児の急性胃腸炎の入院の中で、もっとも多い感染症です。一生のうちに何度も感染するウイルスですが、初めてロタウイルスに感染した時は、特に重症化しやすく、まれに脳や腎臓に影響をおよぼすこともあり、注意が必要です。生後、すぐに感染する場合もあるので、ワクチンの接種は、早い時期に完了させます。
ワクチンについて
ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらも生ワクチン(弱毒化したウイルス)で、飲むワクチンです。医療機関で相談し、どちらかのワクチンを選んでください。2種類ともロタウイルス感染による胃腸炎を約80%予防し、重症ロタウイルス感染症の約95%を予防する効果があります。接種回数が異なりますので、他のワクチンの接種スケジュールなどを考慮して選択します。なお、途中からワクチンの種類を変更することはできませんので最初に摂取したワクチンを2回目以降も接種します。
多くのワクチンの接種が重なる時期ですので、医療機関と相談して、他のワクチン接種と合わせて同時に接種することも検討してください。初回は、標準的には生後2か月から14週6日までに接種します。出生15週0日以降の初回接種はおすすめしません。
なお、このワクチンは、ロタウイルス以外の原因による胃腸炎には予防効果を示しません。
対象年齢・接種回数・接種間隔・費用
種類 | 1価ワクチン(ロタリックス) | 5価ワクチン(ロタテック) |
---|---|---|
対象年齢 | 令和2年8月1日生れ以降 生後6週から24週0日 |
令和2年8月1日生れ以降 生後6週から32週0日 |
どちらのワクチンも、初回接種は、腸重積症の好発時期を避けるために、14週6日後までに完了することが望ましいとされています。 | ||
接種回数 | 2回 | 3回 |
費用 | 無料 | 無料 |
接種間隔 | 27日以上の間隔をおく | 27日以上の間隔をおく |
対象年齢内は無料です。対象年齢を過ぎると有料となります。
対象年齢で定期接種導入以前に任意接種を受けている場合は、接種回数のうち残りの回数を定期接種として接種できます。任意接種の還付はありません。
主な副反応について
ワクチン接種から1~2週間は、腸重積症のリスクが高まると報告されていますので注意してください。突然はげしく泣く、嘔吐を繰り返す、便に血が混じる、ぐったりして顔色が悪い、泣いたり不機嫌になったりを繰り返す等の症状がみられた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
腸重積症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです。0歳児の場合ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、もともと3~4か月齢ぐらいから月齢が上がるにつれて多くなります。早めに接種を開始し、完了することがすすめられています。
腸重積症は手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合手術をせずに治療できます。次のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。
- 泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
- 嘔吐を繰り返す
- ぐったりして顔色が悪くなる
- 血便がでる
このような症状に気づいたら、すみやかに接種した医療機関を受診してください。接種した医療機関とは別の医療機関を受診する場合は、このワクチンを接種したことを医師に伝えてください。
接種できない場合
明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人や、重度の急性疾患にかかっている人、過去に同じワクチンで強いアレルギー反応が出た人は、接種することができません。また、未治療の先天的な消化管障がいのある人や、過去に腸重積症をおこした人、重症複合型免疫不全(SCID)のある人も、接種できません。このほかにも、接種を中止したり、延期したほうがよい場合もありますので、予防接種を受ける日には、あらかじめ予診票を記載して受診し、医師と相談してください。
ワクチンを接種する前
赤ちゃんがおなかいっぱいだと、上手にワクチンが飲めない場合がありますので、接種前30分ほどは授乳を控えることをすすめます。上手に飲めるよう、医師、看護師の指示に従ってください。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でも、わずかでも飲み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。
ワクチンを接種した後
接種直後は、医療機関で30分ほど様子をみて帰宅してください。ワクチン接種後2週間ほどは、赤ちゃんの便の中に、ワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後など、ていねいに手を洗ってください。家庭内で高熱、けいれんなど、異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください
接種場所
個別接種です。医療機関によっては、予約が必要な場合があります。あらかじめ医療機関へお問い合わせのうえ、お出かけください。
令和6年度予防接種実施契約医療機関一覧[PDF:538KB]
持ち物
母子健康手帳、健康保険証、マイナンバーカード等
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